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米中小企業支援策、政府公表データの正確性に疑問
7月8日、トランプ米政権は6日に、新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業を支援する「給与保護プログラム(PPP)」の実行状況を公表した際、約510万人の雇用が守られ、プログラムは「大成功」を収めたと胸を張った。写真はホワイトハウスで4月撮影(2020年 ロイター/Jonathan Ernst)
[ワシントン 7日 ロイター] - トランプ米政権は6日に、新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業を支援する「給与保護プログラム(PPP)」の実行状況を公表した際、約510万人の雇用が守られ、プログラムは「大成功」を収めたと胸を張った。ただ、政府公表のデータを分析すると、一部企業は維持した従業員数を正確に報告しなかった可能性があり、データの正確性に疑問が生じている。
ワシントンにある非営利団体のGood Jobs Firstは、政府公表のデータが正確かは疑問だと述べ、融資の申請手続きで、企業に維持する雇用者数などの報告を義務付けていない点を指摘した。
トランプ政権幹部は、510万人という数は銀行が提供する暫定データに基づく推計値で、融資審査が終了した時点で正確な数が判明すると説明している。
融資申請の際に企業は、維持する従業員の具体的な数字を提出する必要がない。そのため、ロイターが政府データを分析したところによると、87万8000社は数字をゼロとしたか空欄にして手続きを行った。こうしたケースは融資全体の約18%に相当する。
PPPは、企業が従業員の雇用を維持すれば給与支払いを政府が肩代わりする制度で、6600億ドルの予算が充てられている。政府は6日、同制度下で行われた約490万件の融資についてデータを公表した。