ニュース速報

ワールド

ロ大統領、北極圏の燃料流出事故受け法改正指示 ノルニッケルを非難

2020年06月06日(土)04時33分

[モスクワ 5日 ロイター] - ロシア北極圏のノリリスクにある火力発電所の燃料タンクから燃料が大量に流出し、広範な環境汚染が広がっていることについて、プーチン大統領は5日、再発防止に向けた法令の改正を指示すると同時に、事故が起きた施設を保有する非鉄金属生産大手ノリリスク・ニッケル(ノルニッケル)の筆頭株主のウラジーミル・ポターニン氏が適切な対応を取らなかったとして非難した。

事故が起きたのは5月29日。ノリリスク・ニッケルの主要生産施設の近くにある発電所の燃料タンクが圧力を失い、1万5000トンの燃料などが河川に流出したほか、6000トンが地面に流出した。これを受けプーチン大統領は今月3日に周辺地域に非常事態宣言を発令した。

ノリリスク・ニッケルは、永久凍土が溶け、燃料タンクを支える支柱が沈下したことが事故の要因だったと説明。ロシア検事総長は、永久凍土の上に建てられている全ての危険な建造物の点検を命令した。

プーチン大統領はテレビ会議方式で開催した会合で、類似の事故の再発防止に向け法令を改正するよう指示。ポターニン氏に対し「適切な時期に交換していれば、このような環境汚染は引き起こされなかった」とし、社内調査の実施を要請した。

ポターニン氏はノリリスク・ニッケルの株式34.6%を保有する筆頭株主。政府から罰金が課されるか推測できないとしながらも、除染作業にノリリスク・ニッケルが最大100億ルーブル(1億4500万ドル)を拠出する方針を示した。

事故を受けポターニン氏は解任されるべきとの見方が議員の間で出る中、大統領報道官はこの日、同氏の解任を否定した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

世界EV販売は年内1700万台に、石油需要はさらに

ビジネス

米3月新築住宅販売、8.8%増の69万3000戸 

ビジネス

円が対ユーロで16年ぶり安値、対ドルでも介入ライン

ワールド

米国は強力な加盟国、大統領選の結果問わず=NATO
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親会社HYBEが監査、ミン・ヒジン代表の辞任を要求

  • 4

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 5

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ロシア、NATOとの大規模紛争に備えてフィンランド国…

  • 9

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中