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EU復興基金 オランダは融資での加盟国支援を主張 独は補助金支持
5月27日、オランダのルッテ首相(写真)は26日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた加盟国を支援するため欧州連合(EU)が創設を計画する復興基金について、返済義務のない補助金ではなく、融資の形でのみ資金提供を行うべきだとの見解を示した。写真はオランダで3月撮影(2020年 ロイター/Eva Plevier)
[ベルリン/アムステルダム 26日 ロイター] - オランダのルッテ首相は26日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた加盟国を支援するため欧州連合(EU)が創設を計画する復興基金について、返済義務のない補助金ではなく、融資の形でのみ資金提供を行うべきだとの見解を示した。
ドイツとフランスは18日、加盟国や域内産業に補助金を提供する5000億ユーロ規模の復興基金の創設を提案した。
ルッテ首相は「われわれは回復を支援する緊急復興基金を必要としている。基金は融資で構成し、債務の共有化につながらないようにするべきだと考える」と語った。ドイツで最も人口が多い西部ノルトライン・ウェストファーレン州のラシェット首相とのビデオ会議で記者団に述べた。
一方、ラシェット州首相は、補助金を提供する独仏案を支持すると表明。「オランダとドイツは、スペインやポルトガル、フランス、ギリシャにも回復の機会が与えられることにより、より強固な回復が可能になる」と強調した。その上で、基金に関する正しい道のりを決めるのはEU指導部だと指摘した。
欧州委員会は27日にEUの長期予算と復興基金に関する新たな提案を示す。どちらの問題も加盟国間の富の移転を伴うことから議論を呼んでいる。
オランダはオーストリア、スウェーデン、デンマークとともに23日、独仏の基金案に反対を表明し、代わりに融資に基づく新たな案を示している。