ニュース速報

ワールド

新型コロナの米死者、約6万人にとどまる可能性=ファウチ氏

2020年04月10日(金)02時36分

米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は9日、新型コロナウイルス感染症による米国内の死者が従来予想を下回る6万人程度にとどまる可能性があるとの見通しを示しつつも、時期尚早な経済活動の再開をけん制した。テキサス州サンアントニオで4日撮影(2019年 ロイター/Go Nakamura)

[ワシントン 9日 ロイター] - 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は9日、新型コロナウイルス感染症による米国内の死者が従来予想を下回る6万人程度にとどまる可能性があるとの見通しを示しつつも、時期尚早な経済活動の再開をけん制した。

ファウチ所長はNBCテレビの番組「トゥデイ」に出演し、「想定される死者数は下方に向かうと確信しており、従来予想の10万─20万人ではなく、6万人程度になるだろう」と語った。さらに、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)などの一連の措置が感染拡大食い止めで奏功していると強調した。

米ワシントン大学のモデル分析に基づく米国内の死者予測も下方修正され、これまでに6万0415人となっている。

ホワイトハウスの新型コロナ対策チームはこれまでに、国内死者数が10万─24万人に達するとの見方を示していた。

こうした中、新型コロナ感染拡大防止に向けた外出規制や非必須事業の休止などを受け、米経済は大幅に減速し、雇用喪失も顕著となっている。

米労働省が同日発表した4月4日終了週の新規失業保険申請件数は660万6000件と、2週連続で600万件を上回り、過去3週間の合計では1500万件を上回った。

しかし、ファウチ所長はCBSの「ディス・モーニング」に対し、国民が自宅待機を続け、感染の「第2波」を防ぐことが重要と強調。「ソーシャル・ディスタンシングで一層の努力を続ける必要があり、それに伴い予想される死者数がさらに減少することを望む」と述べた。

ジョンズ・ホプキンズ大のデータによると、9日朝時点で、米国内の新型コロナ感染者は43万2000人、死者は約1万4800人。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、イスラエルとイランの対立拡大回避に努力=

ワールド

G7外相、ロシア凍結資産活用へ検討継続 ウクライナ

ビジネス

日銀4月会合、物価見通し引き上げへ 政策金利は据え

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中