ニュース速報

ワールド

米フロリダ・ネバダ州、新型コロナの経済的打撃に脆弱か=調査

2020年04月07日(火)05時57分

オックスフォード・エコノミクスの最新の調査で、米国内でフロリダやネバダ州などが新型コロナウイルス感染拡大による経済的打撃に脆弱である可能性が示された。フロリダ州フォートローダーデールで2日撮影(2019年 ロイター/MARCO BELLO)

[ワシントン 6日 ロイター] - オックスフォード・エコノミクスの最新の調査で、米国内でフロリダやネバダ州などが新型コロナウイルス感染拡大による経済的打撃に脆弱である可能性が示された。

オックスフォード・エコノミクスは、65歳以上が人口に占める比率のほか、小売売上高や観光業への依存度など10の基準を用い、新型コロナ流行に対する米50州およびワシントンDCの経済の脆弱性を分析した。

調査によると、高齢者が多く、自営業者や中小企業従業員が占める比率が高いメーン州が最も脆弱であることが分かった。次いでカジノ観光への依存度が高いネバダ州、農村地帯のバーモント州が続いた。

65歳以上の居住者が多く、小売業や観光業へ依存が高いフロリダ州は4番目に脆弱となった。上位10位で人口密度が高いのは同州のみ。同州では新型コロナ感染者数が増加し、おり、先週時点で1万人を突破。デサンティス知事は自宅待機令を発令した。

米国内ではニューヨーク、カリフォルニア州での新型コロナ流行が深刻となっているものの、経済的な打撃は限定的な可能性があるとみられている。

オックスフォード・エコノミクスの首席エコノミスト、オレン・クラチキン氏は「ロックダウンや一連の感染拡大防止措置は新型コロナに絡む第1段階の経済的打撃の主要因だが、第2段階の打撃は構造的な経済上の脆弱性が要因となる」とし、長期的には地方政府予算や医療保健制度の健全性が鍵を握るとの認識を示した。

IHSマークイットのエコノミスト、カール・クイケンダル氏は、雇用喪失や経済産出量への減少などの異なる基準を用いた分析を実施。同氏の試算によると、フロリダ州では年末までに約8%の雇用が失われる可能性があり、新型コロナ流行に絡む経済的打撃に脆弱な州の一つとなった。

クイケンダル氏はさらに、ペンシルバニアからミシガン州にかけたラストベルト(五大湖周辺のさびついた工業地帯)でも雇用喪失が顕著となる可能性があると指摘した。

いずれの調査も、最近成立した新型コロナに対処する2兆3億ドル規模の大型経済対策の恩恵は加味していない。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイランに攻撃か、規模限定的 イランは報

ビジネス

米中堅銀、年内の業績振るわず 利払い増が圧迫=アナ

ビジネス

FRB、現行政策「適切」 物価巡る進展は停滞=シカ

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中