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ブラジル大統領、コロナ感染拡大でも経済活動継続訴え 反発強まる
3月29日、ブラジルのボルソナロ大統領(中央)は、新型コロナウイルス対策で経済活動を停止すべきではないとの姿勢をあらためて鮮明にした。写真は7日、ブラジリアで撮影(2020年 ロイター/Ueslei Marcelino)
[ブラジリア 29日 ロイター] - ブラジルのボルソナロ大統領は29日、首都ブラジリア郊外の低所得地域で青空市場を視察し、行商人と交わした会話をフェイスブックとツイッターに投稿するなどして、新型コロナウイルス対策で経済活動を停止すべきではないとの姿勢をあらためて鮮明にした。
ブラジルでは新型コロナ感染者が同日までの7日間で3倍近く増え、4256人となったが、大統領は高齢者だけが死ぬ「ちょっとした風邪」に過ぎないと主張し、深刻な感染症との見方を否定してきた。国内では136人が既に新型コロナ感染により死亡している。
大統領府がソーシャルメディアを通じて展開する「ブラジルは止まってはならない」と題するキャンペーンには、州政府や政治家、保健当局、さらには保健相が反発。ただ、大統領はこの日も、国民は新型コロナに感染しないよう気をつけながらも稼ぎを得るために働き続ける必要があるとの考えに変わりはないと強調、厳格な封鎖(ロックダウン)に踏み切った州政府などを批判した。
リオデジャネイロ地裁は前日、連邦検察の申し立てを受け、この「ブラジルは止まってはならない」キャンペーンを禁じた。 同地裁の判事は、国家レベルで新型コロナ流行への対応策が存在しないのに、国民に自宅待機をやめて外出するよう呼び掛けるのは認められないとの判断を示した。
追い打ちをかけるように、ツイッター
ボルソナロ氏の独断行動にはマンデッタ保健相も反対。政府筋によると、28日の閣議でマンデッタ氏は大統領に対し、新型コロナの経済への影響を抑えるために高齢者と病人だけを隔離させるという案は擁護できないと訴えた。また、閣議後に同相は記者会見で、感染者数の急増に現行の医療体制では対応できないとし、国民に自宅待機を呼び掛けた。
それでもなお、ボルソナロ氏は29日、記者団に、全ての専門職や非公式な経済部門の労働者に対し、家計にとって所得が不可欠の場合に労働を認める大統領令を検討していると述べ、考えを改めるそぶりはみせていない。