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IMF、世界経済見通し下方修正へ 新型ウイルス流行で
国際通貨基金(IMF)は27日、新型コロナウイルスの急速な感染拡大で世界経済は影響を受けるとし、IMFは世界経済見通しを下方修正する公算が大きいという見方を示した。北京で7日撮影(2020年 ロイター/JASON LEE)
[ワシントン 27日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は27日、新型コロナウイルスの急速な感染拡大で世界経済は影響を受けるとし、IMFは世界経済見通しを下方修正する公算が大きいという見方を示した。
IMFは週末の間にサウジアラビアで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に際し、新型ウイルスの感染拡大により2020年の中国の成長率が5.6%になるとの見通しを表明。1月に示した見通しを0.4%ポイント下方修正した。世界経済の成長率は新型ウイルスの影響で0.1%ポイント下押しされるとした。
IMFのライス報道官は定例記者会見で「世界経済の成長率見通しを下方修正する公算が大きい」と表明。現時点ではゲオルギエワ専務理事が発表した声明より新しい情報はないとしながらも、4月に公表する世界経済見通しの準備を進める中で、新たな情報が得られると述べた。
その上で「新型ウイルスが経済成長に影響を及ぼすことは間違いない」と指摘。「中国や他の国の回復の速さのほか、波及的な影響、供給網に対する影響やどの国が大きな打撃を受けるかなど、多くの要因に左右される」と述べた。
さらに、IMFは世界保健機関(WHO)や世界銀行のほか、各地域の開発銀行と緊密に連絡を取っていると表明。IMFはこれまでに、感染拡大が悪化した場合、国際社会による協調行動が有効になるとの見解を示しているが、ライス報道官は現在はまだこうした時点には達していないと述べた。
また、4月に予定している世銀との春季会合については早急に結論を下すとした。関係者らによると、新型ウイルスの感染拡大を受け両組織内で開催を巡って懸念が強まっており、会合の規模を制限するか、テレビ会議に変更する可能性を検討しているという。