ニュース速報

ワールド

北朝鮮の金正恩氏叔母、夫の処刑後6年ぶりに健在確認

2020年01月27日(月)10時25分

[ソウル 26日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の叔母で、2013年に反逆罪で処刑された張成沢氏の妻である金敬姫氏が、6年ぶりに公の場に姿を現した。国営メディアが26日、正恩氏のそばで旧正月を祝う記念公演を鑑賞する様子を伝えた。

敬姫氏は、正恩氏の父親の故金正日氏の妹に当たり、正恩氏体制始動後の最初の数年に主導的な役割を果たした。

当時、政権ナンバー2と目されていた張成沢氏が処刑された13年以降は公の場にほとんど姿を見せていなかった。

国営メディアによると、敬姫氏は正恩氏らとともに、平壌で行われた旧正月を祝う記念公演を鑑賞した。

米ワシントンのシンクタンク、スティムソン・センターの北朝鮮専門家、マイケル・マッデン氏は「北朝鮮のような政権で主要当局者が突如として姿を現すのは常に大きな重要性を持つ」と指摘した。

北朝鮮は非核化に向けた米国との協議が頓挫しているほか、国際的な制裁で経済が圧迫されており、正恩氏は外交や内政問題で難しいかじ取りを迫られている。

マッデン氏は「(敬姫氏が)公職を与えられていないとしても、このように個人的に姿を現すことは、甥への支持を公に示すことになる」と述べ、「金一族の結束を強く表している」との見方を示した。

韓国のソウルを拠点とする北朝鮮専門ニュースサイト、NKニュースのマネジングエディター、オリバー・ホットナム氏は「多くの北朝鮮専門家は、金敬姫氏が夫の死後に追放されたか、殺害されたとみていたため、約6年ぶりに金委員長のそばで姿が確認されたことは確かにサプライズだ」と語った。

また、国営メディアが政権ナンバー2とされる崔竜海氏の次に敬姫氏の名前を掲載したことに言及し、「委員長の隣に座っていることや、崔竜海氏の次に名前が挙げられていることを踏まえると、新たな地位を与えられ、経済や政治問題について委員長に助言している可能性がある」との見方を示した。

*専門家のコメントを追加しました

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

スイス中銀、第1四半期の利益が過去最高 フラン安や

ビジネス

仏エルメス、第1四半期は17%増収 中国好調

ワールド

ロシア凍結資産の利息でウクライナ支援、米提案をG7

ビジネス

北京モーターショー開幕、NEV一色 国内設計のAD
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中