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トランプ氏弾劾裁判が審理入り、関連文書求める民主党の動議否決

2020年01月22日(水)13時30分

 1月21日 トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾裁判が、上院で審理入りした。与党共和党が多数を占める上院は、政権側に文書や証拠の提出を求める民主党の試みを阻止し、裁判は共和党の路線に沿ってトランプ氏に有利に進む見通しだ。提供写真(2020年 ロイター/U.S. Senate TV)

[ワシントン 21日 ロイター] - トランプ米大統領のウクライナ疑惑を巡る弾劾裁判が21日、上院で審理入りした。与党共和党が多数を占める上院は、政権側に文書や証拠の提出を求める民主党の試みを阻止し、裁判は共和党の路線に沿ってトランプ氏に有利に進む見通しだ。

民主党上院トップのシューマー院内総務は、トランプ氏のウクライナ疑惑を巡る関連文書の提出をホワイトハウスに求める動議を提出。採決の結果、賛成47、反対53で否決された。

シューマー氏はその後、国務省、国防総省、行政管理予算局(OMB)に関連記録・文書を求める動議を提出。こちらも採決の結果、賛成47、反対53で否決された。

民主党は、トランプ氏が政敵のバイデン前副大統領に関する調査を行うようウクライナに圧力をかけ、その後、議会の調査を妨げたとして、トランプ氏を罷免するよう上院に求めている。

トランプ氏は疑惑を否定し、弾劾は2020年大統領選での自身の再選を阻むための党派的なでっち上げだとしている。

大統領の弾劾裁判は、史上3例目。裁判長を務めるロバーツ連邦最高裁長官の下、陪審員役を務める全上院議員100人が、トランプ氏の有罪・罷免の可否を判断する。

この日の審理では、共和党上院トップのマコネル院内総務が示した審理運営規則案を巡り、与野党が激論を交わした。証人の招致と証言を保証していない同案が採用されれば、弾劾裁判が早期に結審する可能性がある。[nL4N29Q13C]

トランプ氏の弁護団を率いるホワイトハウス顧問のパット・シポローニ氏は、検察側の民主党が主張する権力乱用と議会妨害という2つの訴追条項には根拠がなく、憲法が規定する訴追要件を満たしていないと主張。「トランプ大統領は無実という以外、結論はない」とし、マコネル案への支持を表明した。

一方、民主党のシフ下院情報特別委員長は、トランプ氏の違憲行為を裏付ける証拠は数多くあるが、不正の全貌を知るためには証人の証言が必要だと訴えた。

民主党は、ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を含むトランプ政権の現旧当局者複数人からの証言を求めている。

シューマー氏は「大統領顧問から批判や指摘はあったものの、われわれが求めた文書や証人が必要ないとする根拠について、まったく論じていない」と指摘した。

*内容を追加しました。

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