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NZが成長率見通しを下方修正、大規模なインフラ投資を計画
[ウェリントン 11日 ロイター] - ニュージーランド政府は11日、2020年の経済成長率見通しを下方修正し、インフラ投資を過去約20年で最大の水準に引き上げる計画を発表した。
財務省の半期の経済・財政報告によると、2019/20年度の財政赤字は9億ニュージーランド(NZ)ドル(5億7660万米ドル)となる見込み。5月の予算発表時の予想は13億1300万NZドルだった。
ロバートソン財務相は「世界的な逆風下での影響を考えると、現会計年度での小幅な財政赤字は驚きではない」との認識を示した。
財務省は21年と22年の黒字予想も下方修正した。米中貿易戦争や英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る不透明感など世界的要因で、経済成長が鈍化することが背景。23/24年度にかけての4年間で見込まれる黒字は120億NZドルとしている。
今年の成長率見通しは3.2%から2.3%に引き下げた。
財務相は記者団に「ニュージーランドの成長率は引き続き他のほとんどの国を上回っている」と述べた。
また、新たなインフラ投資に120億NZドルを費やす方針も明らかにした。これは過去20年余りで最大の水準。計画では交通、学校、病院向けなどが含まれるという。
エコノミストらは、移民数や住宅価格の伸びが鈍化し始める中で3%を上回る経済成長が現実的かどうか疑問を呈し、財務省が大胆な成長見通しを下方修正すると予想していた。
ウェストパック銀のエコノミストは、財務省の報告について「不発」に終わり、国内総生産(GDP)、インフレ率あるいは金利にほとんど影響を与えないと指摘。「設備投資の大幅拡大が目玉だったが、何年もかけて計画されてきたもので、前倒しで実施する財政出動よりも景気への効果は小さい」と述べた。
政府は純負債を対GDPで15─25%のレンジ内に維持する方針も明らかにした。
S&Pグローバルは11日、ニュージーランドの財政黒字回復がさらなる財政支出で遅れることになっても、同国のソブリン格付けは支出拡大を吸収できるとの認識を示した。
ロバートソン財務相は「債務水準が低く、借り入れコストも過去最低水準にある現在の環境は、政府がニュージーランドの将来にも有用な投資を行うのに適している」と述べた。
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