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米司法省監察官、ロシア疑惑捜査の検証報告書を12月9日公表へ

2019年11月22日(金)12時58分

 11月21日、米司法省のホロウィッツ監察官(写真)は、ロシアの2016年大統領選介入疑惑捜査がどのように始まったかを検証した調査の報告書を12月9日に公表できる見込みだと表明した。写真はワシントンで9月撮影(2019年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 21日 ロイター] - 米司法省のホロウィッツ監察官は、ロシアの2016年大統領選介入疑惑捜査がどのように始まったかを検証した調査の報告書を12月9日に公表できる見込みだと表明した。

ホロウィッツ氏は上院司法委員会のグラム委員長(共和党)宛ての21日付の書簡で「不測の事態がなければ」公表可能になる見込みだと述べた。

トランプ大統領の支持者らは同報告書について、トランプ氏や同氏の選挙対策顧問とロシアとの関係を巡る連邦捜査局(FBI)の捜査の正当性について疑念を生じさせる内容になるとの見方を示してきた。

司法省監察総監室は、報告書で検証されている中心的な問題は、FBIが2016年以降に秘密裁判所「外国情報監視裁判所」から「特定の米市民」の通信を傍受する令状を得た際、法律や規制にどれだけ厳密に従ったかだと説明。

16年大統領選のトランプ陣営で外交顧問を務めたカーター・ペイジ氏は最近、同報告書の内容を公表前に確認することが認められずプライバシーを侵害されたとして司法省を提訴した。

ペイジ氏は20日にロイターに対し、報告書の原案を精査することが認められなかったと述べた。

今回の報告書を巡っては、司法省監察総監室の代表らが昨年夏に元英情報機関職員のクリストファー・スティール氏から長時間の事情聴取を行っている。スティール氏は、16年大統領選の民主党候補だったヒラリー・クリントン氏と同党の弁護団のためにトランプ氏とロシアとの関係に関する調査報告書をまとめており、これが物議を醸してきた。

FBIは外国情報監視裁判所にペイジ氏を監視する許可を求めた際に提出した資料で、スティール氏による報告に言及していた。それ以外にFBIが引き合いに出した情報については、引き続き非公表となっている。

米情報機関や法執行機関が適切にトランプ氏およびトランプ陣営とロシアとの関係に関する捜査に着手し、遂行したかという問題を検証するため、バー司法長官はコネティカット州のジョン・ダーラム連邦検事を責任者に任命している。

ある関係者は10月下旬に、ダーラム氏による検証調査が刑事捜査に切り替わったと明らかにしている。[nL3N27A3YN]

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