ニュース速報
ワールド
米商務省、自動車関税巡る勧告案をホワイトハウスに提出=当局者
11月12日、米商務省は、国家安全保障上の理由で輸入する自動車と部品に最大25%の関税を課すかどうかの調査に基づく勧告案をホワイトハウスに提出した。政権当局者2人が明らかにした。2017年3月撮影(2018年 ロイター/Eric Thayer)
[ワシントン 12日 ロイター] - 米商務省は、自動車と部品の輸入に国家安全保障上の理由で最大25%の関税を課すかどうかの調査に基づく勧告案をホワイトハウスに提出した。政権当局者2人が明らかにした。
当局者らによると、この勧告案は関係各省で精査中で、トランプ政権の通商担当トップによる13日の定例会合で協議される見通し。
商務省の調査は米通商拡大法232条に基づく。
ホワイトハウスはこれまでに、欧州連合(EU)や日本への関税について、通商協議が建設的に進展している限り課税を実施しないと約束している。
欧州委員会のマルムストローム委員(通商担当)は14日、ワシントンでライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と会談し、貿易交渉の開始に向けた予備協議を行う予定。
政府高官によると米政権は、自動車問題に関する進展がみられないことに不満を募らせているとのメッセージを発信しているが、今回の勧告案に基づいて13日に即座に行動を起こす可能性は低いという。
関税の対象となる可能性のある自動車および部品の種類や税率など、勧告案の具体的内容は明らかになっていない。
しかしトランプ大統領は、EUが輸入車に課す10%の自動車関税の引き下げや非関税障壁の削減などについてEUや日本が譲歩しなければ自動車や部品に関税を発動すると警告しており、商務省の勧告案提出はこうした姿勢を浮き彫りにするものといえる。
トランプ大統領は7日、「公平な交渉が行われなければ、われわれには大規模な報復措置があると言ってきた。行使したくはないが、われわれには大きな力がある」と述べた。また「(交渉には)自動車を含む必要がある。自動車は大きな項目だ。自動車や自動車関税に関するわれわれの立場は承知の通りだ」と言明した。
米政権は10月、日本やEUと通商協議を開始する方針を議会に伝えた。議会への通達から90日後に交渉が可能になる。[nL3N1WW5J9]
大手自動車メーカーを代表する業界団体は商務省が7月に開いた公聴会で、自動車や部品の輸入に25%の関税を適用すれば米国内の自動車価格は年間で合計830億ドル上昇し、多くの雇用が失われるとの懸念を示した。
米自動車工業会(AAM)は輸入車の価格が6000ドル近く、国産車は2000ドル近く、それぞれ上昇すると警告。
米ディーラー団体が公表した調査報告書では、関税によって米国の年間自動車販売台数が200万台減少し、ディーラー業界で全体の10%に当たる11万7000人以上が職を失う可能性があると指摘している。
*内容を追加しました。