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英EU離脱交渉、アイルランド国境問題がなお障害 ポンド不安定
11月6日、英国の欧州連合(EU)離脱問題で、EUのバルニエ首席交渉官は、アイルランド国境の厳格な管理を回避する安全策で合意できなければ、EUが最終合意したり、英国に移行期間を与えたりしない方針を明らかにした。ブリュッセルで5日撮影(2018年 ロイター/FRANCOIS LENOIR)
[ロンドン/ブラチスラバ 6日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、EUと英国は6日、合意は近いものの、アイルランド国境問題での見解の相違が依然として障害になっていると明らかにした。様々な報道が流れる中、ポンドは不安定な展開となった。
EUのバルニエ首席交渉官は記者会見で「まだ100%には達していない」と述べ、「欠けているのはアイルランド問題の解決策だ」と指摘した。
EU加盟国アイルランドと英領北アイルランドの国境問題を巡っては、英国もEUも厳格な国境管理を回避する必要性で一致している。
国境管理の最終的な枠組みは今後行う通商協議の中で合意する見通しだが、今後の協議で合意できない場合にも国境管理の回避を可能にする安全策(バックストップ)を巡って交渉が難航している。
バルニエ氏は、EUとして安全策の改善に取り組んでいると述べたが、運用可能なものでなければならないと強調した。
英国が安全策を恒久措置ではなく暫定の枠組みとすることを求めているのに対し、EU側は有効期間を設けることを拒んでおり、バルニエ氏もこの日、安全策に終了日を設けることはできないと言明した。
同氏はさらに、安全策での合意がなければ英国は移行期間なしで来年3月にEUを離脱することになると警告した。
メイ英首相は主要閣僚に対し、安全策を巡りさらなる作業が必要だと伝え、離脱協定は95%完了しているが、北アイルランド問題が最大の懸案事項だと述べた。
EU臨時首脳会議の11月開催に間に合う段階で合意がまとまるかどうかは不透明だ。メイ首相は閣僚に対し、合意の目標を「是が非でも達成する考えはない」との立場を伝えた。
アイルランドのバラッカー首相は国境管理の問題について、クリエイティブな解決策を受け入れる用意があるとした一方、離脱協定に盛り込む安全策の条項に有効期間や一方的な解除条項を設けることに反対の立場をあらためて強調した。
こうした中、英調査会社サーベーションが6日に公表した世論調査によると、EU離脱の是非を巡る国民投票を再実施した場合、残留支持派が離脱派を54%対46%で上回ることが分かった。メイ英首相は国民投票の再実施を繰り返し否定している。
外為市場では、メイ政権に閣外協力する北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)の幹部が英国は合意なき離脱に向かっているとの認識を示したことを受けて、ポンドが対ドルで下落した。[nL4N1XH3SV]
ただその後、ラーブEU離脱担当相が閣議後にBBCの記者に対し、うまくいったとの見方を示したことを受け、ポンドはドルとユーロに対して上昇した。
*内容を追加します。