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EU首脳、英離脱合意に自信 国境問題は進展なし
10月18日、欧州連合(EU)は同日まで2日間にわたって首脳会議を開催し、英国のEU離脱を巡って協議した。首脳らは問題の解決に向けて取り組んでいるとし、合意なき離脱を回避することに改めて自信を示した。EU首脳会議で会見するメイ英首相。ブリュッセルで撮影(2018年 ロイター/Yves Herman)
[ブリュッセル 18日 ロイター] - 欧州連合(EU)は18日まで2日間にわたって首脳会議を開催し、英国のEU離脱を巡って協議した。首脳らは問題の解決に向けて取り組んでいるとし、合意なき離脱を回避することに改めて自信を示した。
メイ首相は会議終了後に記者会見し「われわれは残る問題について懸命に取り組んでいる」とし、「昨日ブリュッセルに到着し会議に出席する首脳から感じたのは、合意をまとめたいという強い意欲だ。良い合意が可能と確信している」と述べた。
トゥスクEU大統領は記者会見で、ザルツブルクで行われた前回の会合と比べて雰囲気はかなり良かったと明らかにし、「最終的な解決と合意に近づいていると感じている」と述べた。
ただ焦点となっているアイルランドと英領北アイルランドの国境の問題についてはほとんど進展はなかった。将来の関係に関する合意が期限内に成立しなかった場合に、アイルランド国境の厳格な管理を避けることを保証する「バックストップ」(安全装置)を巡って対立が解けていない。
メイ首相はこれより先に、離脱後の移行期間を「数カ月」延長する案を検討する考えを示唆した。[nL3N1WY38Y]移行期間を延長すれば、将来の関係の準備が整わない場合も、バックストップの発動を回避できる可能性がある。
ただ、移行期間の延長で合意しても、EU側が協定締結の条件としてバックストップに関する合意を求めることもあり得る。また英国内で批判が強まる可能性がある。
保守党の強行離脱派ジェイコブ・リースモッグ議員はロイターに、移行期間の延長はどのようなものでも「悪いアイデアで大きな犠牲を伴う」と指摘。「予算や新たな法律を拒否できない典型的な隷属国家だ」と主張した。
保守党と連立を組む北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)のダイアン・ドッズ欧州議会議員は、移行期間延長はDUPの懸念緩和につながらないとの見方を示した。同党はメイ首相がバックストップでEUに妥協すれば、予算案に反対すると警告している。