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合意なきEU離脱の可能性が最大―北アイルランド閣外政党=英紙
10月13日、英国で政権に閣外協力する北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)のアーリーン・フォスター党首(写真)は、合意なき欧州連合(EU)離脱を引き起こす「準備」はできていると述べ、これが現実となる可能性が最も高いとの見方を示したもようだ。写真はブリュッセルで9日撮影(2018年 ロイター/Yves Herman)
[ベルファスト 13日 ロイター] - 英国で政権に閣外協力する北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)のアーリーン・フォスター党首は、合意なき欧州連合(EU)離脱を引き起こす「準備」はできていると述べ、これが現実となる可能性が最も高いとの見方を示したもようだ。英日曜紙オブザーバーが、リークされた電子メールをもとに報じた。
同紙はこの書簡の差出人も宛先も明かしていない。書簡によるとフォスター党首は、欧州議会で欧州保守改革グループに所属するアシュリー・フォックス議員(英保守党所属)に対し、今週に行ったEUのバルニエ首席交渉官との意見交換は「非友好的で困難」だったと説明。「フォスター党首は、合意なき離脱にDUPは備えており、このシナリオがいまや最も可能性の高いと信じていると述べた」という。
同紙はこの書簡が「政府の最も高い地位にある筋から流出した」複数の電子メールのうちの1通だと述べた。
DUPの広報担当者はコメントを控えた。
フォスター党首は13日付のベルファスト・テレグラフ紙への寄稿で、英国のEU離脱においては悪い取引より、取引がまとまらない方がましだと主張。現在の離脱計画は、EUによる「北アイルランドの併合」を意味すると述べた。
EUのバルニエ首席交渉官は10日、英国が本土と北アイルランド間を行き来するモノへの検査を導入する代替措置の可能性を受け入れる必要があるとの認識を示唆。これに対しDUPの広報担当者は、こうした合意内容になれば「英国ではなく、実質的にEUが北アイルランドを治めることになる」と指摘、英国が将来取り交わす貿易協定の対象地域から北アイルランドが除外されることになるとの見方を示した。[nL4N1WR4VM]
フォスター党首はこの寄稿で「合意なき離脱のリスクは十分認識しているが、交渉結果が良くないものになる危険は、それよりもっと悪い」と主張。「代替措置は、一時的なものにはとどまらないだろう。北アイルランドは英国から切り離され、永久的にEUに併合され、発言権を持たない場所で決定された規則に永遠に従わねばならないことになる」と批判した。