ニュース速報

ワールド

大手石油各社、ハリケーン通過で米メキシコ湾岸の生産復旧に着手

2018年10月12日(金)09時29分

 10月11日、ハリケーン「マイケル」の通過を受けて、米エクソンモービル、米シェブロン、英BPを含む石油大手は、操業を停止していたメキシコ湾岸の施設で作業員の退避を解除し、生産復旧作業を開始させた。写真はシェブロンの石油精製施設。9月にミシシッピ州で撮影(2018年 ロイター/Jonathan Bachman)

[ヒューストン 11日 ロイター] - ハリケーン「マイケル」の通過を受けて、米エクソンモービル、米シェブロン、英BPを含む石油大手は11日、操業を停止していたメキシコ湾岸の施設で作業員の退避を解除し、生産復旧作業を開始させた。

内務省安全環境執行局(BSEE)によると、この日はメキシコ湾岸の原油生産の40%と天然ガス生産の29%がそれぞれ停止されたが、前日よりもやや小幅な削減率となった。また、BSEEの11日付の調査によると、前日に作業員が退避していた89の生産プラットフォームのうち、30で退避が解除された。

マイケルが前日フロリダ州に接近した際にメキシコ湾では最大6メートルの高潮が発生、風速は時速250キロメートルに強まった。マイケルはフロリダ上陸後、11日までに温帯低気圧に弱まったが、ジョージアなどの州で大雨をもたらしている。

シェブロンとエクソンは、2つの生産プラットフォームで一部の作業員を退避させていたが、復旧作業を開始したと発表。BPもまた、4つの生産プラットフォームで安全を確認したことを受けて作業員を復帰させている。

操業停止の影響で、週初から11日までに計239万バレル前後の生産が削減されたが、米国内のシェール生産が拡大していることから供給量への影響は限定的となっている。

一方、ジョージア州では停電の影響で、米国最大の燃料輸送管であるコロニアル・パイプラインの輸送に遅延が発生している。

米WTI原油先物のこの日の清算値は3%安の1バレル=70.97ドル。世界的な株安が重しとなったほか、米原油在庫が予想以上に増加したことも地合いを冷やした。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

スイス中銀、第1四半期の利益が過去最高 フラン安や

ビジネス

仏エルメス、第1四半期は17%増収 中国好調

ワールド

ロシア凍結資産の利息でウクライナ支援、米提案をG7

ビジネス

北京モーターショー開幕、NEV一色 国内設計のAD
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中