ニュース速報

ワールド

米判事候補の性的暴行疑惑、元同窓生らFBIに情報提供できず

2018年10月03日(水)18時52分

 10月2日、米最高裁判事に指名されたブレット・カバノー氏(写真)の性的暴行疑惑について連邦調査局(FBI)が週内に調査をまとめる見通しだが、告発者の証言を裏付ける情報を提供しようとした元同窓生が、FBIに連絡を取ろうと試みたものの、担当者と接触できていないことが明らかになった。ワシントンで9月撮影(2018年 ロイター/JIM BOURG)

[ニューヨーク 3日 ロイター] - 米最高裁判事に指名されたブレット・カバノー氏の性的暴行疑惑について連邦調査局(FBI)が週内に調査をまとめる見通しだが、告発者の証言を裏付ける情報を提供しようとした元同窓生が、FBIに連絡を取ろうと試みたものの、担当者と接触できていないことが明らかになった。

カバノー氏から1982年に性的暴行を受けたと告発した大学教授クリスティーン・ブラジー・フォード氏は先週、上院の公聴会で証言した。トランプ米大統領はFBIに調査を指示したが、ホワイトハウスはFBIに対し、5日までに結果を示すよう伝えた。

フォード氏の証言で、暴行を目撃したとされたカバノー氏の学生時代の友人マーク・ジャッジ氏のほか、少なくとも3人の人物、また2人目の告発女性デボラ・ラミレス氏は、既にFBIの聴取を受けた。ジャッジ氏はフォード氏が主張する暴行に関して記憶はないとしている。

フォード氏の弁護士は2日、同氏がFBIに全面的に協力すると申し出たが、FBIから返答がないと明らかにした。弁護士はFBIのレイ長官への書簡で「フォード氏、カバノー氏、われわれが示した証人への聴取を行わずにフォード氏が主張する内容を徹底的に調査できるとは想像しにくい」とした。

事情に詳しい関係者によると、FBIは9月30日にラミレス氏を2時間以上にわたり聴取した。同氏は20人以上の証人のリストをFBIに提供したという。

イエール大学でラミレス氏とカバノー氏の同級生だったリチャード・オー氏はロイターに対し、情報提供の目的で週末にデンバーのFBIオフィスに連絡したが、現時点でFBIからの連絡はないと述べた。担当者にメッセージが伝わったかどうか分からないとした。

またイエール大学でカバノー氏と同じ寮に住んでいたマーク・クラスバーグ氏も、「ラミレス氏の証言の一部を裏付ける情報」を提供しようとしたが、FBIの担当者と連絡を取れていないと述べた。

このほか、カバノー氏の大学時代の同級生2人もFBIの担当者にコンタクトを試みたが不成功に終わったという。

民主党の上院議員は、FBIがカバノー氏に関する調査で十分な時間を与えられなかったとして批判する可能性がある。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドル155円台へ上昇、34年ぶり高値を更新=外為市

ビジネス

エアバスに偏らず機材調達、ボーイングとの関係変わら

ビジネス

独IFO業況指数、4月は予想上回り3カ月連続改善 

ワールド

イラン大統領、16年ぶりにスリランカ訪問 「関係強
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 6

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 9

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 10

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中