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安倍首相が内閣改造、初入閣12人で女性1人 麻生・菅氏留任

2018年10月02日(火)18時39分

Japan's new Minister of Internal Affairs and Communications Masatoshi Ishida arrives at Prime Minister Shinzo Abe's official residence in Tokyo, Japan October 2, 2018. REUTERS/Issei Kato

[東京 2日 ロイター] - 安倍晋三首相は2日午後、内閣改造を断行し、菅義偉官房長官が閣僚名簿を発表した。麻生太郎副総理兼財務・金融担当相と菅官房長官ら6人が留任する一方、岩屋毅衆院議員を防衛相に起用するなど12人が初入閣した。

片山さつき参院議員を地方創生担当相に充てたが、女性閣僚は改造前の2人から1人に減少した。党役員人事は、来年の統一地方選や参院選をにらみ、実力者の甘利明氏を選挙対策委員長に起用。選挙重視シフトを敷いた。

今回の改造では、対米交渉にあたる河野太郎外相や茂木敏充経済再生相、世耕弘成経済産業相も留任させ、公明党の山口那津男代表からの要請を受けて石井啓一氏を引き続き国土交通相とした。主要閣僚を留任させることで重要政策の継続性を重視し、10月にも召集される臨時国会での手堅い答弁を優先させたかたちだ。

同時に新入閣は12人と、第1次安倍内閣発足から最も多くなった。岩屋氏のほか、文部科学相に柴山昌彦党総裁特別補佐、環境相に原田義昭衆院議員、総務相に石田真敏衆院議員、復興相に渡辺博道衆院議員、科学技術担当相に平井卓也衆院議員、五輪相に桜田義孝衆院議員、1億総活躍兼沖縄北方担当相に宮腰光寛首相補佐官、国家公安委員長兼防災担当相に山本順三参院議員を起用。根本匠元復興相を厚生労働相として再入閣させた。

総裁選で安倍首相を支援した派閥の議員に対する「論功」を重視したとの声が、複数の与党議員から出ている。

他方、総裁選で安倍首相と争った石破茂元幹事長の派閥から、山下貴司衆院議員を法相に抜てきした。

皇居での認証式を経て今夕、正式に発足する。菅官房長官は、午後6時から安倍首相の会見、午後6時45分から初閣議を行うと述べた。

<総務会長に加藤氏>

自民党は、同日午前に臨時総務会を開き、二階俊博幹事長、岸田文雄政務調査会長、加藤勝信総務会長、甘利選対委員長ら新役員人事を正式に了承した。

二階・岸田両氏は留任。甘利氏は総裁選で安倍陣営の事務総長を務めた。加藤氏は、総裁選で事実上自主投票を決めた竹下派で安倍首相を支持しており、石破茂元幹事長を支持した竹下亘総務会長と交代した。森山裕国会対策委員長、山口泰明組織運動本部長、萩生田光一幹事長代行もそれぞれ再任された。

記者会見で二階幹事長は「責任政党として評価を上げられるよう、党員・党友の先頭に立って、国民のため謙虚に丁寧に仕事を進めて行きたい」との抱負を語った。

甘利選対委員長は、与党支援候補が大敗した9月30日の沖縄県知事選について「8万票の差を埋めることができなかった。民意は真摯に受け止める」とコメント。敗因を「分析、反省し、来年の統一地方選や参議院選挙に生かせるよう尽力する」と強調した。

甘利氏は2016年、秘書の現金授受問題で経済再生相を辞任した経緯があるが、「私も秘書も刑事訴追されていない」、「秘書の監督責任を取り辞任した」と説明した。

*写真を更新しました。

(政策担当取材チーム 編集:田巻一彦)

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