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フィリピン中銀が0.5%利上げ、インフレ抑制で追加利上げ示唆
9月27日、フィリピン中央銀行は、政策金利の翌日物借入金利を4.00%から4.50%に引き上げた。写真はロゴ、マニラで2016年3月撮影(2018年 ロイター/Romeo Ranoco)
[マニラ 27日 ロイター] - フィリピン中央銀行は27日、政策金利の翌日物借入金利を4.00%から4.50%に引き上げた。利上げは過去5カ月で4回目で、高インフレとペソ安への対応が目的。これにより、政策金利は2011年12月以来の高水準となる。
中銀は「高インフレの脅威に対してあらゆる必要な行動をとる」と表明しており、アナリストは追加利上げを予想している。
ロイター調査ではアナリストのほとんどが利上げを予想していた。中銀は前月も50ベーシスポイント(bp)の利上げを実施している。
中銀の声明は「物価上昇は持続的かつ広範におよぶ兆候が根強く、追加の金融引き締めが正当化されると認識した」としている。
アジアでは今年、通貨が下落する中フィリピン中銀とインドネシア中銀が、最も積極的に引き締めに動いている。インドネシア中銀も27日、0.25%ポイントの利上げを発表した。[nL4N1WD3DP]
フィリピン中銀は5月以降、インフレ抑制のため計150bpの利上げを実施している。
8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.4%上昇した。2009年3月以来の大幅上昇で、中銀の目標レンジである2─4%を大幅に上回った。
中銀は2018年のインフレ率予想を4.9%から5.2%に、19年も3.7%から4.3%に引き上げた。いずれの予想値も中銀の目標レンジを大幅に上回る。
中銀幹部は、供給サイドの力が今後数カ月、インフレを押し上げ続けると予想。物価上昇が経済全体に浸透するのはこれからという兆候が見られる中、インフレ期待は高止まりしていると説明した。
キャピタル・エコノミクスは顧客向けリポートで「インフレ率は今後数カ月上昇が続く見通しで、インフレ期待を巡る懸念も強まっていることから、さらなる利上げが予想される」と指摘した。
中銀幹部らは、経済はなお、借り入れ金利の上昇に対応できるほど強いとの見解をあらためて示した。第3・四半期の国内総生産(GDP)は強い内需に支えられ、第2・四半期と同じく前年比6.0%増と予想している。
ノムラのEuben Paracuelles氏は「明確なタカ派シグナルと、中銀が来年も物価上昇率が目標を上回ると予想していることを踏まえ、年内に再び利上げする可能性があるとみている」と述べた。
*内容を追加しました。