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国連事務総長、世界秩序は「ますます混沌」と警告
9月25日、国連のグテレス事務総長は、世界の指導者に対し、世界の秩序は「ますます混沌としている」と述べるとともに、信頼は限界点に達し、権力バランスの変化で対立のリスクが高まる可能性があると警告した。演説する同事務総長。ニューヨークの国連本部で撮影(2018年 ロイター/Shannon Stapleton)
[国連 25日 ロイター] - 国連のグテレス事務総長は25日、世界の指導者に対し、世界の秩序は「ますます混沌としている」と述べるとともに、信頼は限界点に達し、権力バランスの変化で対立のリスクが高まる可能性があると警告した。
国連年次総会で演説し、多国間協調主義が最も必要とされているときに攻撃にさらされていると指摘。「各国の指導者には自国民の福祉向上を図る責任がある。しかしわれわれは共通の利益のために、多国間主義システムの改革・再活性化・強化を推進し支援する責務を負っている」と主張した。
その上で、国連を中心とした規則に基づく秩序への新たなコミットメントを求め、「悲観主義の政治」のまん延を警告した。
また「隣人を危険な存在とみなせば、脅威がないところに脅威を生じさせる可能性がある。移民を阻止しようと国境を封鎖すれば密航の増加を促すだけだ。テロとの戦いで人権を無視すれば、撲滅したいはずの過激主義を助長することになる」と述べた。
気候変動についても、より強い野心と危機感を持って取り組むよう求め、来年9月に首脳会議を開くと言明。「今後2年以内に軌道修正しなければ、気候変動が手に負えなくなる恐れがある」と警告した。