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EUと離脱交渉中の総選挙は国益にかなわず=メイ英首相

2018年09月26日(水)10時33分

 9月25日、英国のメイ首相は、欧州連合(EU)離脱についてEUとの交渉を進めている段階で総選挙を再度実施することは英国の国益にかなわないとの考えを示した。ロンドンで21日代表撮影(2018年 ロイター)

[ニューヨーク 25日 ロイター] - 英国のメイ首相は25日、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)についてEUとの交渉を進めている段階で総選挙を再度実施することは英国の国益にかなわないとの考えを示した。

首相の離脱方針が国内とEUの双方で強い批判を浴びる中、与党・保守党内からメイ氏に対する退陣要求が出るとの観測や、政権が崩壊するのではないかといった見方が浮上している。

メイ首相は国連総会に出席するためニューヨークに向かう機上で「国益にかなう良い合意を実現することに取り組んでいる。選挙の実施は国益にかなわない」と述べた。

また、EUと英国は合意に達すると言明し、2度目の国民投票の実施を否定した。

メイ首相は、EU側が現在提示している条件を受け入れるよりは、条件などで合意しないまま離脱する方が望ましいとし、離脱交渉を前進させるためにはEUが新たな提案を行う必要があるとの考えを改めて示した。

メイ首相は記者団に対し「悪い合意の下で離脱するよりは、(条件などで)合意しないまま離脱する方が望ましいとこれまでも述べてきた」とし、「悪い合意とは、英国の解体につながるものだと考えている」と述べた。

その上で、トゥスクEU大統領が英国との合意を望んでいるとの立場を示したことは歓迎しているしながらも、自身が示した離脱方針に対しEU側が提案を行う必要があると指摘。「EUに何らかの懸念がある場合、英国に対しそうした懸念を表明する必要がある。対抗する提案がある場合、提示してもらい、共に協議していきたい」と述べた。

メイ首相は26日に行う財界幹部向けの講演で、離脱後の英国を築く上で政府は「全面的に親ビジネス」の姿勢で取り組むと表明する見通しだ。自身の離脱案を撤回する考えはないとも述べる見込み。

*内容を追加しました。

ロイター
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