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OPECと非加盟産油国、増産見送り トランプ氏の要求退ける

2018年09月24日(月)13時08分

 9月23日、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど主要非加盟産油国はアルジェリアで開いた会合で原油の増産を見送った。写真はサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相(2018年 ロイター/Ramzi Boudina)

[アルジェ 23日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど主要非加盟産油国は、23日にアルジェリアで開いた会合で原油の増産を見送った。サウジアラビアとロシアは、即時の追加増産は必要ないとの認識を示し、原油価格押し下げを求めるトランプ米大統領の要求を実質的に退ける形となった。

サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は記者団に対し「原油価格に影響を与えることはしない」と言明した。

北海ブレント先物は今月、1バレル=80ドル台を付け、トランプ大統領は20日、OPECに原油価格の引き下げを再度要求していた。

ファリハ氏は、サウジアラビアには増産余力があるものの、OPECの予測では非加盟国の増産が世界の需要の伸びを上回ることが見込まれているため、現時点で増産の必要性はなく、来年も不要となる可能性があると指摘。「市場の供給は十分だ。必要な原油を入手できない状況にある製油業者を私は知らない」と語った。

その上で、必要ならサウジアラビアは最大で日量150万バレルの増産が可能だとした。

OPECは23日に公表した中間報告で、2019年は米国など非OPEC産油国の生産量が日量240万バレル増加する一方、世界の需要の伸びは日量150万バレルにとどまるとの見通しを示した。2023年までの米国の産油量の伸びについても見通しを大幅に上方修正した。

ファリハ氏は「(報告書の)予測を踏まえると、需給に予想外の状況が生じない限り、2019年の増産の可能性は非常に低い」との見方を示した。

ロシアのノバク・エネルギー相も即時の増産は必要ないと述べた。ただ、米中貿易摩擦や米国の対イラン制裁が原油市場にとって新たな課題を生み出しているとの認識も示した。

同相は「原油需要は今年第4・四半期と来年第1・四半期に減少するだろう。現時点でOPECと主要非産油国は6月の合意を維持することを決定した」と説明した。

OPECと主要非産油国は6月、協調減産合意で定める水準以上に達していた減産量を目標水準に戻す実質的な増産で合意した。

ファリハ氏は、減産合意の順守率を100%に戻すことが主要な目標だと述べ、向こう2、3カ月以内に達成できるとの見方を示した。

*カテゴリーを変更して再送します。

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