ニュース速報

ワールド

米国、貿易巡り中国との接触強める 協議再開を提案と関係筋

2018年09月13日(木)08時13分

 9月12日、米トランプ政権は、米中通商協議の再開に向けて中国側と接触した。2017年12月撮影(2018年 ロイター/Joshua Roberts)

[ワシントン 12日 ロイター] - 米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は12日、トランプ政権は貿易問題を巡り中国との接触を強めたと明らかにした。複数の関係筋によると、米政府は既に、通商協議の再開を中国側に提案したという。

関係筋によると、ムニューシン米財務長官をはじめとする米高官らは、中国の劉鶴副首相を含む政府高官らに対して協議の再開を提案した。

トランプ政権は2000億ドル分の中国製品に対する追加関税の発動を準備しており、幅広いIT製品や消費財が対象に含まれている。

カドロー氏は中国側に協議再開を提案したかについては言及しなかったが、中国との接触が「加速した」と明かした。記者団に対し、「財務省は中国と連絡と取り合っている。それ以上は述べられない」と語った。

こういった接触は「好ましい」とした上で、「米側の大多数は、協議しないより協議するほうが好ましいと考えている。中国政府は協議に前向きだと思う」とした。

トランプ政権が中国と新たな協議を行うことを望んでいるかとの質問には「中国が真剣な態度で、好ましい結果を目指して協議に臨むならば、無論、協議を行いたい。われわれは何カ月も前からそのように要請してきた」と応じた。ただ、「何も保証できない」と付け加えた。

関係筋によると、米側が提案している協議の時期や場所は不明。米中は8月にも事務レベルでの協議を開いたが、目立った進展は見られなかった。

米財務省報道官はコメントの求めに応じていない。

米国側による協議の提案については、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が最初に報じた。

トランプ大統領は前週、2000億ドル分の中国製品に対して準備を進めている追加関税措置に加えて、新たに2670億ドル相当の中国製品に関税を課す用意があると明らかにしている。

両国間で繰り広げられている貿易戦争は2国間貿易の全てに影響が広がる恐れがあり、市場では懸念が強まっている。両政府が閣僚級の協議を開催する運びとなれば、こういった懸念が後退するとみられる。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、国内ハイテク企業への海外投資を促進へ 外資撤

ビジネス

米債務急増への懸念、金とビットコインの価格押し上げ

ワールド

米、いかなる対イラン作戦にも関与せず 緊張緩和に尽

ワールド

イスラエル巡る調査結果近く公表へ、人権侵害報道受け
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中