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トランプ氏が口止め料指示と元弁護士、陣営元幹部には有罪評決
8月21日、トランプ米大統領の元個人弁護士、マイケル・コーエン被告(51、写真)は、ニューヨーク連邦地裁で、2016年の大統領選挙中にトランプ氏との不倫関係を主張した2人の女性に対し、トランプ氏の指示で口止め料を支払ったと証言した。ニューヨークで撮影(2018年 ロイター/Mike Segar)
[ニューヨーク 21日 ロイター] - トランプ米大統領の元個人弁護士、マイケル・コーエン被告(51)は21日、ニューヨーク連邦地裁で、2016年の大統領選挙中にトランプ氏との不倫関係を主張した2人の女性に対し、トランプ氏の指示で口止め料を支払ったと証言した。
コーエン被告は口止め料を巡る選挙資金法違反のほか、脱税、銀行に対する詐欺罪など8つの罪を認め、検察当局の捜査に協力する司法取引を行うことに合意した。
コーエン被告は連邦地裁で、大統領選では候補者の指示で「選挙に影響を与えるという主目的のために」支払いを行うよう手配したと述べた。トランプ氏を名指しすることは避けたが、同氏の弁護士であるラニー・デービス氏は裁判後、同被告はトランプ大統領に言及していたことを確認した。
デービス氏は声明で「今日、コーエン氏は起立し、選挙に影響を与えるという主目的のために2人の女性に支払いを行うという罪を犯すよう、ドナルド・トランプ氏から指示されたことを宣誓証言した」と説明。「これらの支払いがマイケル・コーエン氏にとって罪となるならば、ドナルド・トランプ氏にとって罪にならないことがあるだろうか」と指摘した。
口止め料はポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんに支払われた13万ドルと、米誌「プレイボーイ」の元モデル、カレン・マクドゥーガルさんに関連する15万ドル。
トランプ大統領は2人の女性との不倫関係を否定している。トランプ氏の弁護士を務めるジュリアーニ元ニューヨーク市長はこれまで、口止め料はトランプ氏と同氏の家族が恥ずかしい思いをしないように支払われたもので、選挙とは関係ないと主張してきた。
コーエン氏による証言の数時間後にウエスト・バージニア州で行われた集会に登場したトランプ大統領は、コーエン氏について何も語らなかった。
ジュリアーニ氏はこの日、コーエン氏が問われている罪に「大統領による不正の疑いを示すものは一切含まれていない」と主張し、コーエン氏の行為は「長期にわたる偽りと不誠実さのパターン」を反映していると述べた。
<ロシア介入疑惑捜査>
一方、バージニア州連邦地裁の陪審はこの日、ロシアの米大統領選干渉疑惑を端緒にした捜査で詐欺などの罪に問われたトランプ陣営の元選対本部長、ポール・マナフォート被告の審理で、起訴された18の罪のうち8つの罪について有罪の評決を下した。
ロシア疑惑を捜査するモラー特別検察官はコーエン氏についても、ニューヨークの連邦検察に捜査を付託しており、検察は独自の捜査に乗り出している。
トランプ大統領は自身の陣営が選挙中にロシアと共謀した事実を繰り返し否定し、モラー氏の捜査を「魔女狩り」と批判してきた。
21日のニューヨーク連邦地裁で、判事のウィリアム・ポーリー3世は、コーエン氏が合意した司法取引には最大5年3月の懲役刑の可能性が含まれていると述べた。判決期日を12月12日に定めたほか、50万ドルでの保釈を決定した。
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