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ブラジル裁判所、ルラ元大統領の出馬禁じる公算 労働党なお善戦か
8月16日、ブラジル高等選挙裁判所は、労働党(PT)が10月の大統領選の候補として収賄罪で収監中の元大統領ルラ被告の出馬を届け出たことを受けて、数週間内に受理を禁じる判決を下す見込み。写真はブラジルのサンパウロで2016年3月撮影(2018年 ロイター/Paulo Whitaker)
[ブラジリア 16日 ロイター] - ブラジル高等選挙裁判所は、労働党(PT)が10月の大統領選の候補として収賄罪で収監中の元大統領ルラ被告の出馬を届け出たことを受けて、数週間内に受理を禁じる判決を下す見込み。ただ、不受理の場合でも、同党が代わりに擁立する候補者が勝利する可能性はあるとみられる。
同裁判所のローサ・ウェバー主席判事は、受理の可否について早期に判断する考えを示しており、政治アナリストらは、大統領選に向けたテレビ・ラジオCMが流れ始める8月31日の前に判決が出ると予想している。
ブラジルの法律は、一、二審ともに有罪判決を言い渡された政治家が選挙に立候補することを禁じている。
PTに対抗する「ブラジル労働党」の副大統領候補であるカティア・アブレウ上院議員は「ルラ被告が出馬資格を失うことは疑いようがない。事実、(資格剥奪を規定した)法案に署名して、成立させたの彼自身だ」と強調した。
同裁判所がルラ被告の出馬を禁じた場合、同氏の弁護団は最高裁に上訴するとみられる。これにより、資格剥奪が保留となり、候補者名簿変更の期限である9月17日までに判断が出ない可能性もある。
労働党が副大統領候補として届け出たフェルナンド・アダジ元サンパウロ市長は世論調査で支持率が6位と、首位に立つ右派ボルソナロ下院議員に大きく後れを取っている。ただ、調査会社ダタフォーリャによると、ルラ被告を含めた世論調査では、同被告が支持率約30%でトップに立つ。
ルラ被告が出馬を禁じられた場合はアダジ氏が労働党の大統領候補になるとみられており、ルラ被告の支持者の大半を取り込むことができれば、勝利に近づくことになる。
大統領選では13人が立候補を届け出ており、専門家によると、アダジ氏は得票率が15%もあれば決戦投票に進むことが可能になるという。
コンサルティング会社アルコ・アドバイスのルーカス・デアラゴン氏は、「アダジ氏がルラ被告の30%支持率の半分を取り込むことができれば善戦する見込みが高まり、決選投票に進むことが可能になる」と分析した。