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スペイン議会が政府提出の予算案否決、サンチェス政権に打撃
7月27日、スペイン議会は、政府が提出した予算案を否決。6月に発足したサンチェス政権にとって大きな打撃で、スペインの政情が再び不安定化する恐れがある。写真はサンチェス首相。マドリードで17日撮影(2018年 ロイター/Susana Vera)
[マドリード 27日 ロイター] - スペイン議会は27日、政府が提出した予算案を否決した。6月に発足したサンチェス政権にとって大きな打撃で、スペインの政情が再び不安定化する恐れがある。
採決結果は賛成88、反対173、棄権が86。このほか3人の議員が投票自体に参加しなかった。議会350議席のうち、サンチェス首相率いる少数与党、社会労働党の議席は84にとどまる。
今回は、サンチェス政権樹立に向けて協力関係を築いた政治勢力の支持を確保できなかった形。採決前にカタルーニャの地方政党であるカタルーニャ欧州民主党(PDeCat)やカタルーニャ共和左派(ERC)、および急進左派ポデモスは棄権を決めた。
関係者によれば、政府は26日、これら複数の政党と数時間にわたって会合したが、合意には達しなかった。フアン・カルロス前国王の海外事業に関するいくつかの報道について、社会労働党が調査開始に応じなかったことが、意見対立につながったもよう。またポデモスは財政赤字目標緩和と歳出拡大を求め、政府側がこれに反対したという。
サンチェス首相は26日遅く、予算案が否決される可能性はあるが、首相を退く意向はなく、2020年半ばに予定されている国政選挙を前倒しすることもないと述べた。
ただサンチェス氏に近い人々は、野党やこれまで社会労働党と連携してきた各政党が政府の行動を議会で阻止し続けるなら、早期選挙の可能性は完全に排除されなくなると警告している。