ニュース速報

ワールド

大量破壊兵器の拡散阻止、日米などが多国間訓練

2018年07月26日(木)15時38分

[横須賀市 26日 ロイター] - 北朝鮮の非核化に向けた具体的な動きが見えない中、大量破壊兵器の拡散防止を目的とした多国間訓練が26日、神奈川県横須賀市の久里浜港で行われた。日本や米国、フィリピンなどが参加し、停泊した貨物船を検査。核や化学物質を特定する手順などを確認した。

化学物質を積んだ疑いのある貨物船が日本に寄港したという設定で、通報を受けた日本の警察、海上保安庁、税関の職員が乗船。化学防護服に身を包んだ警察のテロ対応専門部隊が、サリンやVXガスに合成される前の物質である亜リン酸ジメチルであることを特定した。

さらに陸上自衛隊が、コンテナ内や周辺に飛散した化学物質を除染。このあと米国とタイ、フィリピンの合同チームが乗船し、核物質を捜索する訓練も行った。

大量破壊兵器の拡散防止訓練は、核や化学兵器、その運搬手段であるミサイルの密輸を防ぐため、日本、米国、韓国、シンガポール、豪州、ニュージーランドが毎年持ち回りで実施している。今年は日本が主催することが5年前から決まっており、政府は北朝鮮を想定したものではないとしている。

一方で、米朝間の非核化交渉には進展がみられず、ポンペオ米国務長官は25日の上院外交委員会の公聴会で、北朝鮮は今も核物質を製造していると証言した。

今回の訓練には持ち回りで主催する6カ国のほか、20カ国程度が参加。25日には房総半島沖を航行する船に日本、米国、韓国のチームがそれぞれボートで乗り込み、立ち入り検査する訓練も行った。

(久保信博)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、イスラエルとイランの対立拡大回避に努力=

ワールド

G7外相、ロシア凍結資産活用へ検討継続 ウクライナ

ビジネス

日銀4月会合、物価見通し引き上げへ 政策金利は据え

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中