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ブラジル中銀、政策金利を6.50%に据え置き 予想通り
6月20日、ブラジル中央銀行は、予想通り政策金利を6.50%に据え置くと発表した。通貨レアルが軟調となる中でも、利上げには踏み切らなかった。写真はブラジリアの同行本店ビル。昨年5月撮影(2018年 ロイター/Ueslei Marcelino)
[ブラジリア/サンパウロ 20日 ロイター] - ブラジル中央銀行は20日、予想通り政策金利を6.50%に据え置くと発表した。通貨レアルが軟調となる中でも、利上げには踏み切らなかった。
ただ、トラック運転手による5月の全国的なストライキによって経済の先行き不透明感が高まり、経済活動を圧迫する一方、インフレ圧力が強まったとの認識を示した。
ロイターが実施したエコノミスト調査では38人中37人が据え置きを予想していた。
ブラジルの通貨レアル
中銀は声明で「輸送業界が5月に一時停止したことを受け、足元の経済情勢の見極めが一層難しくなった」と指摘。「4月のデータでは、過去数カ月と比較して経済活動の安定感が強まったことが示されたが、5月、場合によっては6月の指標には、輸送業停止の影響が出る可能性が高い」とした。
通貨安を背景に輸入価格が上昇するなか、中銀当局者らはこれまで、為替動向について、物価に広範な影響を与える、あるいは値上げ期待を引き起こす場合にのみ、金融政策の決定要因になるとの見解を繰り返し示してきた。
ただ、今回の声明は、5月の会合以降、世界経済がブラジルのインフレ率を押し上げるリスクが強まり、インフレ率が中銀の目標を下回る水準にとどまるリスクは低下したと指摘。現状は、金利据え置きを正当化していると説明した。
キャピタル・エコノミクスの新興国市場担当主席エコノミスト、ニール・シアリング氏は顧客向けの文書で、「金融政策委員会の今回の主要メッセージは、インフレの一時的加速はあえて見過ごす構えだということだ」と分析。「中銀は10月の選挙まで引き締めを見送る可能性が高いというのが引き続き、われわれの基本シナリオだ」とした。