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英EU離脱法案が議会通過、親EU派も支持 首相「重要な一歩」
6月20日、英議会は、メイ政権が提出した欧州連合(EU)離脱法案を承認した。メイ首相は声明を出し、法案の議会通過はEU離脱への極めて重要な一歩と強調、EUとの将来の関係に関し、政府案のさらなる詳細を今後公表する意向を示した。首相官邸を出る同首相。ロンドンで撮影(2018年 ロイター/Toby Melville)
[ロンドン 20日 ロイター] - 英議会は20日、メイ政権が提出した欧州連合(EU)離脱法案を承認した。メイ首相は声明を出し、法案の議会通過はEU離脱への極めて重要な一歩と強調、EUとの将来の関係に関し、政府案のさらなる詳細を今後公表する意向を示した。
メイ政権は離脱を巡る議会の「意味のある採決」に関して妥協案を提示し、これに与党・保守党内の親EU派議員が支持を表明した。離脱交渉の行方について議会により大きな権限を与える修正案は反対多数で否決された。
メイ首相はEU離脱の青写真となる同法案を巡り、自身が率いる保守党内の抵抗勢力と対峙するリスクの高い戦略を取ったが、これが功を奏した形となった。法案は、エリザベス女王の裁可を経て成立する見通し。
ただ、メイ首相は今後もEU離脱前に複数の法案を議会で可決する必要がある。EUとの通商関係や関税に関する取り決めなどを巡り、議論は難航するとみられる。
離脱法案の審議では、EUとの交渉が決裂した場合の議会の権限やEUとの合意がまとまった場合の議会の拒否権が争点となった。保守党からは6人の造反があったものの、メイ政権の案が最終的に承認されたことで、離脱交渉における戦略の変更を強いられる危機的状況は回避した格好となった。
フォックス英国際貿易相はBBCに対し、「大事なのは、政府が交渉に臨む際に(議会の)拘束を受けず、合意がまとまらない可能性をちらつかせることもできるということだ。さもなければ、EUが完全に優位な立場に立つことになる」と強調した。
保守党のある議員は「英国の立場が強まった」と述べた。
法案の議会通過を受けて、ポンドは対ユーロでこの日の高値を付け、対ドルでも上昇した。
*内容を追加しました。