ニュース速報

ワールド

メルケル独首相、移民問題巡りEU加盟国と協議の意向=ビルト紙

2018年06月18日(月)13時19分

 6月18日、ドイツのメルケル首相(写真)は、連立政権内で移民問題を巡る亀裂が深まる中、28─29日の欧州連合(EU)首脳会議の前に一部加盟国とこの問題について協議したい考えだ。写真はベルリンで15日撮影(2018年 ロイター/Michele Tantussi)

[ベルリン 17日 ロイター] - ドイツのメルケル首相は、連立政権内で移民問題を巡る亀裂が深まる中、28─29日の欧州連合(EU)首脳会議の前に一部加盟国とこの問題について協議したい考えだ。現地ビルト紙が17日、イタリア政府の関係筋の話として報じた。

記事によると、首相はギリシャ、イタリア、オーストリアと解決策についての協議を望んでいるという。協議に関し、イタリア政府筋は「まだ合意はしておらず、計画段階だ。具体的にいつになるかも不明だ」と述べた。

ビルトは、次の週末になる可能性があるとしている。スペインや、他のバルカン諸国が参加するかどうかは不明だという。

独政府の広報官からのコメントは得られていない。

EU内では、中東などからの多数の移民や難民への対応に関して意見が大きく分かれている。前週、リビア沖で難民を救助した「アクアリウス号」の受け入れをイタリアとマルタが拒否。救助船は17日、スペインのバレンシア港に到着した。

メルケル首相は、移民政策はEUレベルでのみ、有効な合意と実施が可能であるとの考えを変えておらず、連立政権内で対立が深まっている。

キリスト教社会同盟(CSU)党首であるゼーホーファー内務相は、他のEU加盟国で難民申請登録された人々はその国へ送還するという、同国単独での対応を提案し、メルケル首相は拒否した。CSUは、首相の率いるキリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党で、連立を組んでいる。

この対立は、2015年に打ち出した寛容な難民政策の転換を表明しているメルケル政権だけでなく、移動の自由を認めたEUのシェンゲン協定にとっても打撃となる可能性がある。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

VWの米テネシー工場、組合結成を決定 南部で外資系

ワールド

北朝鮮が戦略巡航ミサイル、「超大型弾頭」試験 国営

ビジネス

利上げの可能性、物価上昇継続なら「非常に高い」=日

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中