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仏大統領が米にイラン核合意維持呼びかけ、欧州の協議は進展
4月25日、訪米中のマクロン仏大統領(写真左)は、米議会の上下両院合同会議で演説し、イランが2015年に欧米など6カ国と結んだ核合意から米国が離脱しないよう呼び掛けた。写真右はトランプ米大統領。ワシントンで24日行われた共同記者会見で撮影(2018年 ロイター/Jonathan Ernst)
[ワシントン 25日 ロイター] - 訪米中のマクロン仏大統領は25日、米議会の上下両院合同会議で演説し、イランが2015年に欧米など6カ国と結んだ核合意から米国が離脱しないよう呼び掛けた。一方欧州の外交関係者は、英仏独がトランプ米大統領に合意継続を求める説得策をまとめつつあることを明らかにした。
トランプ大統領は、核合意はこれまで米国が交わした合意のうち最悪と批判しており、欧州当事国が「欠陥」の修正で合意しなければ破棄して制裁停止を解除する構えをみせている。
欧州との交渉役である米国務省のフック政策企画局長はラジオで「まだ合意には至っていないが、一定の進展はある」と述べた。
マクロン大統領は米議会の演説で、現在のイラン核合意は完璧なものではないとしながらも、新たな合意が得られるまで破棄されることがあってはならないと主張。「現在の合意ですべての問題に対処することはできないが、代替の合意が得られるまで、現在の合意が破棄されてはならない」と述べた。
一方会見では、トランプ大統領が核合意を破棄する可能性を示唆。
マクロン大統領は記者会見で、「米国の判断がどうなるかは不明だが、トランプ大統領の全発言を理論的に分析した結果では、包括的共同作業計画(JCPOA)にとどまるよう全力で努力するとは思えない」と述べた。
西側外交筋がロイターに語ったところによると、ワシントンと欧州3カ国との3カ月にわたる協議では、トランプ氏に合意破棄を思いとどまらせるような複数の措置が浮上している。
ある欧州連合(EU)外交官は「これはトランプ大統領を説得させるためのもので、イランとの新たな合意ではない」と語った。
英独仏の3カ国は、弾道ミサイル開発とシリアのアサド政権支援を巡り新たな対イラン制裁を提案した。
弾道ミサイルについてはトランプ大統領が指摘した「欠陥」の1つだが、他の問題について進展がみられない。
米国のクリストファー・フォード核不拡散特別代表は25日ジュネーブで、イラン核合意で米国は再交渉は求めておらず、離脱せずに、現行の合意内容を補完することで欠点を補いたいと考えていると述べた。
ドイツ外務省の報道官は、補完について注意深く検証すると述べる一方、JCPOAの変更は拒否する姿勢を示した。