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サウジ、原油価格を80-100ドルに押し上げたい意向=関係筋

2018年04月19日(木)16時04分

 4月18日、世界最大の石油輸出国サウジアラビアは、原油価格を現在の1バレル=73ドル付近から1バレル=80─100ドルに押し上げたい意向だ。3人の関係筋が話した。写真は2017年11月、ウィーンの石油輸出国機構(OPEC)本部での看板を修理する男性(2018年 ロイター/Heinz-Peter Bader)

[ドバイ/ロンドン 18日 ロイター] - 世界最大の石油輸出国サウジアラビアは、原油価格を現在の1バレル=73ドル付近から1バレル=80─100ドルに押し上げたい意向だ。3人の関係筋が話した。

石油輸出国機構(OPEC)による協調減産で原油在庫は目標まで減っているものの、サウジアラビアがさらなる原油高を望んでいることを示す。

OPECとロシアなどの石油輸出国は2017年1月、供給過剰を解消するために産油高を減らすことで合意した。減産は当初、18年3月までを期限としていたが、9カ月延長し同年12月までとなった。6月の会合で協調減産を検証する予定だ。

OPECは、先進国の原油在庫を5年間の平均まで抑えるとする当初目標に近づいているが、サウジアラビアやその他の産油国が減産を縮小したい兆しはない。ここ1年間、サウジアラビアはOPECの中でも率先して原油高を追求するようになった。それまではイランの方が原油高を主張していたが、今はサウジアラビアがイランよりも高い価格を目指している。関係筋は、サウジアラビアの姿勢の変化について、国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)を控え、同社のバリュエーションを上げたいのだろうと指摘する。

原油価格は今年、1バレル=73ドルまで上昇し、14年11月以来の高値となった。原油は14年半ばまで100ドルを超えていたが、米国の増産で過剰感が強まり価格が落ち始め、16年に30ドルを割り込んだ。今は持ち直しているものの、サウジアラビアはさらなる値上がりを目指すもようだ。関係筋は、最近の非公開会議で当局者らが1バレル=80ドル、場合によっては100ドルが望ましいとしていたと明らかにした。

アラムコ株の売却が終わった後も、サウジアラビアは原油高を追求するとみられる。サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が唱える経済改革計画「ビジョン2030」には資金が必要だ。OPECの関係筋は「サウジアラビアは原油高を望んでいる。IPOのためだろうが、それだけではない」と述べる。「経済改革など複数の計画を進めようとしているほか、イエメンとの紛争もある。資金をどう集めるのか。だから原油高が必要なのだ」と語った。

OPECは正式な目標価格を設定しておらず、協調減産の目的は供給と需要の均衡をとり過剰在庫を減らすこととしている。サウジ当局者らが望む価格水準は非公式で、当局者らと協議した関係筋が明らかにした数字だ。

関係筋の一人は「OPECが6月に政策を変える可能性は低い。年末までには変わるかもしれない。相場は依然として下支えが必要だ」と述べる。

現段階で出口戦略を主張するOPEC当局者は少ない。ほとんどの当局者が、協調減産の進展を査定するために在庫を量る新たな方法を導入したいと話している。原油価格が石油投資を促すために必要な水準にまだ達していないとの見方が大勢のようだ。

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