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アブダビ沖日の丸油田の権益更新、「競争率高い」=経産相

2018年01月19日(金)17時27分

 1月19日、世耕弘成経済産業相は閣議後会見で、今月15日のアラブ首長国連邦(UAE)訪問の際に要請した、UAEアブダビ首長国の沖合にある日本の自主開発油田の権益更新について、「前向きな反応が得られたが、非常に競争率が高いので、結論が出るまで働きかけを続ける必要がある」と感触を述べた。写真は首相官邸で昨年8月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 19日 ロイター] - 世耕弘成経済産業相は19日の閣議後会見で、今月15日のアラブ首長国連邦(UAE)訪問の際に要請した、UAEアブダビ首長国の沖合にある日本の自主開発油田の権益更新について、「前向きな反応が得られたが、非常に競争率が高いので、結論が出るまで働きかけを続ける必要がある」と感触を述べた。3月の期限切れを機に更新される権益をめぐっては、メジャー(国際石油資本)や中国、インドと競合、競争環境が厳しくなっている。

世耕経産相はUAE訪問で同国のムハンマド皇太子、アブダビ国営石油会社(ADNOC)のジャーベル最高経営責任者(CEO)兼UAE国務相などと会談。会見で経産相は、「ムハンマド皇太子から日本のアブダビ発展への貢献への感謝など前向きな反応が得られた」と述べた。

日本にとってUAEはサウジアラビアに次ぐ第2位の原油供給国。サウジと異なり、油田権益の外資への開放を継続するUAEでは、日本の自主開発油田の約4割がアブダビ沖に位置し、このうちの6割以上が今年3月に期限が到来する。

競合するのは、仏トタルや英BPといったメジャーに加え、中国やインドが積極的な資源外交を展開。「インドや中国が相当強く働きかけを行っているので競争環境は相当厳しい」(経産省幹部)という。

日本側は、政府系の国際協力銀行が三井住友銀行、みずほ銀行、英HSBCと協調して総額30億ドル(約3300億円)をADNOCに融資する契約に調印するなど権益維持を後押しする。業界筋によると2月後半には発表があるとの観測だ。

アブダビ沖の油田は国際石油開発帝石(INPEX)<1605.T>子会社などが権益を保有。今回の更新で権益の多くが失われた場合は、「(INPEXにとって)収益源の一つなので経営への影響は出るだろう」(同幹部)とみられている。

(浜田健太郎、取材協力 月森修)

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