ニュース速報

ワールド

米大統領、対中貿易調査巡り決定を下すようUSTR代表に指示へ

2017年08月13日(日)20時47分

 8月12日、複数のホワイトハウス高官は、トランプ米大統領(写真)が14日、通商代表部(USTR)代表に対し、中国の貿易慣行について調査するかどうかを決定するよう命じることを明らかにした。米ウェストバージニア州ハンティントンで3日撮影(2017年 ロイター/Carlos Barria)

[ワシントン 12日 ロイター] - トランプ米大統領は14日、通商代表部(USTR)のライトハイザー代表に対し、中国で事業を行っている米企業が知的財産の引き渡しを迫られるといった中国の貿易慣行について調査するかどうかを決定するよう命じる。複数のホワイトハウス高官が12日に明らかにした。

北朝鮮との間で緊張が高まるなか、中国製品に対する大幅な関税を課すことにつながりかねない今回の動きについて、ホワイトハウス高官は記者団との電話会見で、北朝鮮を巡る外交と対中貿易調査方針は「完全に無関係」としている。

この高官によると、トランプ大統領はライトハイザー代表に対し、「不合理もしくは差別的である可能性があり、米国の知的財産、イノベーション、技術を侵害する可能性のある中国の法律、政策、慣行、行為」に対する調査が正当化されるかどうかを決定するよう指示する。

別の高官は「技術移転の強制や知的財産の窃盗を含む、中国の不公正な貿易慣行と産業政策が米国の経済と労働者に危害を加えている」と指摘。「14日の行動は大統領のこの問題に対する確固としたコミットメントを反映するものだ」と述べた。

3番目の高官によると、開始されるとみられる調査は結論が出るまでに1年かかる可能性がある。この高官は中国に対してどのような行動を取ることになるか推測するのは時期尚早だとした上で、この問題は「交渉による合意」を通じて解決される可能性があると付け加えた。

通商法301条は他国の「不公正な貿易慣行」から米国の産業を守るため、大統領が一方的に関税を課したり、その他の制裁を科したりすることを認めている。1980年代に頻繁に利用されていたものの、この10年間で利用されることはまれだった。

*写真を付け、カテゴリーを追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米アトランタ連銀総裁、インフレ進展停滞なら利上げに

ビジネス

3月全国消費者物価(除く生鮮)は前年比+2.6%=

ワールド

パレスチナ国連加盟、安保理で否決 米が拒否権行使

ビジネス

スペースXの米スパイ衛星網構築計画、ノースロップが
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中