ニュース速報

ワールド

日本政府、バングラデシュ人22人を強制送還 難民不認定者も

2015年12月10日(木)10時43分

 12月10日、法務省入国管理局は、入国管理施設に収容されていたバングラデシュ人22人をチャーター機で祖国に強制送還したことがわかった。写真は難民申請が認められず強制送還されたアブ・サイド・シェク氏。ダッカで4日撮影(2015年 ロイター/Ashikur Rahman)

[東京/ダッカ 10日 ロイター] - 法務省入国管理局は11月25日、入国管理施設に収容されていたバングラデシュ人22人をチャーター機で祖国に強制送還した。その中に、ロイターが7月に報道したスペシャルリポートの中で取り上げた、冨士重工業<7270.T>系列メーカーで働いていた難民申請者のアブ・サイド・シェク氏も含まれており、現在同氏は、ダッカで家族と離れ、再逮捕の可能性に脅えながら生活していることが、ロイターの取材でわかった。

同氏は2003年に来日。難民認定申請をしたが不認定とされ、収容所から仮放免されている間、自動車の内装パーツの塗装作業に従事していた。仮放免中の労働は許可されていない。

その後は失職していたものの、2015年11月20日、仮放免を更新する手続きに行った東京入国管理局で拘束され、収容所に入れられた。24日に、難民不認定の判断に対する異議申し立てが却下されたことを知らされ、その翌日に強制送還された。

ダッカでの裁判の資料によると、同氏はバングラデシュで、当時の野党アワミ連盟の支持者として対政府抗議活動に参加し、2002年に起こった爆発事件に関係したとして訴追された。

バングラデシュでは、現在与党となっているアワミ連盟と、バングラデシュ民族主義党(BNP)の間で、政権をめぐり激しい対立が続いている。シェク氏への訴追は取り下げられているものの、本人が裁判所に行って判決を受けていないため、逮捕される可能性があるという。アワミ連盟は、シェク氏が党員だったことを認めている。

ロイターの電話取材に対し、同氏は4日、「家族と一緒にいることができない。再逮捕されることを恐れている」と話した。

法務省によるチャーター機での一斉送還は、2013年7月のフィリピン人74人、12月のタイ人46人、14年12月のスリランカ人26人・ベトナム人6人、に続き4回目。

2014年に日本政府は5500人超を送還した。その中にはシェク氏のように難民申請で不認定となった人も多く含まれているとみられる。

日本カトリック難民移住移動者委員会など4団体は4日、25日の強制送還に対し、「人権人道上の問題がある」として、抗議声明を発表した。声明では「今回の送還者のなかには、日本での長期滞在者、難民申請が認定されなかった庇護希望者などが含まれていた」とし「様々な理由で日本での滞在の継続を望む非正規滞在者に対して、合法化によって日本社会の一員として参加する機会を与えることは、多大な税金をかけて送還するよりも日本にとって望ましいはず」と指摘している。

(Thomas Wilson、Serajul Quadir、宮崎亜巳)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

ニュース速報

ワールド

英国のラーブEU離脱担当相が辞任、メイ首相の離脱案

ワールド

焦点:米中の新冷戦、「ブレーキ役」担うマティス国防

ビジネス

中国発改委、自動車購入税減税を提案との報道否定

ビジネス

中国への海外直接投資、1─10月は前年比+3.3%

MAGAZINE

特集:ここまで来たAI医療

2018-11・20号(11/13発売)

病院での待ち時間や誤診、膨れ上がる医療費── 「切り札」人工知能が医療の難題を解決する日

人気ランキング

  • 1

    あの〈抗日〉映画「軍艦島」が思わぬ失速 韓国で非難された3つの理由

  • 2

    「家賃は体で」、住宅難の英国で増える「スケベ大家」

  • 3

    沖縄の風俗街は「沖縄の恥部」なのか?

  • 4

    韓国は、「反日」ではなく「卑日」になったのか?

  • 5

    ソメイヨシノ韓国起源説に終止符? 日本文化の起源…

  • 6

    「深圳すごい、日本負けた」の嘘──中国の日本人経営…

  • 7

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はい…

  • 8

    「歴史の悪魔」を蘇らせるのはトランプ米大統領では…

  • 9

    期待の中国でも販売シェア半減に 韓国現代自動車は…

  • 10

    官民あげて日本就職に取り組む韓国の最新事情 

  • 1

    離陸前のインドネシア機から乗客脱出 荷物室にあったのはドリアン2トン

  • 2

    徴用工判決が突きつける「日韓国交正常化の闇」 韓国大法院判決全文の熟読で分かったこと

  • 3

    ナメクジを食べた男性、脳を侵す寄生虫で8年後に死亡

  • 4

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

  • 5

    【動画】本当に飛んだ、ドバイ警察の「空飛ぶバイク」

  • 6

    金融庁も激怒した、日本の投資信託のイケてなさ

  • 7

    「深圳すごい、日本負けた」の嘘──中国の日本人経営…

  • 8

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 9

    あの〈抗日〉映画「軍艦島」が思わぬ失速 韓国で非…

  • 10

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はい…

  • 1

    ナメクジを食べた男性、脳を侵す寄生虫で8年後に死亡

  • 2

    ベジタリアンに人肉を提供して殺人が発覚

  • 3

    「人肉は食べ飽きた」と自首した男と、とんでもない「仲間」たち

  • 4

    子どもの時に、自宅に紙の本が何冊あったかが一生を…

  • 5

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 6

    安倍首相はよく耐えた!

  • 7

    29年前の「女子高校生コンクリート詰め殺人事件」の…

  • 8

    全否定の「囚人筋トレ」が普通の自重筋トレと違う3つ…

  • 9

    アルコールとがんの関係が明らかに DNAを損傷、二度…

  • 10

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
「ニューズウィーク日本版」編集記者を募集
デジタル/プリントメディア広告営業部員を募集
「♯レゴのすべて」投稿キャンペーン
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版

ニューズウィーク日本版特別編集 レゴのすべて

絶賛発売中!