ニュース速報
ビジネス

NY市場サマリー(8日)米株下落、ドル上昇、利回り上昇

2025年12月09日(火)06時54分

<為替>  終盤のニューヨーク外為市場では、米ドルが主要通貨に対して上昇した。今週は中央銀行の会合が目白押しで、中でも米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まっている。25ベーシスポイント(bp)の利下げはほぼ織り込まれているが、投資家は予想より穏やかな緩和サイクルを示唆するシグナルに備えている。

こうした中、円は全面安となった。8日遅くに東北地方で強い地震が発生し、津波警報と住民への避難指示が出されたことを受けた。

今週はオーストラリア、ブラジル、カナダ、スイスの中央銀行も政策金利決定会合を開く。ただし、これらの国では金融政策の変更は見込まれていない。

アナリストは、FRBが「タカ派的な利下げ」を行うと予想している。声明文の文言やドットチャート、パウエル議長の記者会見が、追加利下げには高いハードルがあることを示すと見られている。

マネックスUSAのトレーディングディレクター、フアン・ペレス氏は「景気が崩壊しておらず、インフレも比較的落ち着いている状況では、FRBは利下げを安心して行える一方、今後の追加措置を約束する必要はない。当局者は将来の計画を立てるのは難しいだろう。むしろ過去を振り返り、現状をより正確に評価する必要がある。現状はスタグフレーションの時期にあるようで、当局者間でも経済に関する結論にコンセンサスがない」と述べた。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが上昇。市場の注目は米連邦準備理事会(FRB)が今週9─10日に開く金融政策決定会合の行方に集まっている。

10年債利回りは3.1ベーシスポイント(bp)上昇の4.17%。一時、4.192%と9月26日以来の高水準を付けた。

2年債利回りは1.7bp上昇の3.581%。一時、11月20日以来の高水準となる3.61%を付けた。

2年債と10年債の利回り格差は58.7bpとなった。

30年債利回りは2.1bp上昇の4.813%。一時、9月5日以来の高水準となる4.835%まで上昇した。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場は主要3指数が下落して取引を終えた。S&P総合500種の主要セクターのほとんどがマイナスとなった。連邦公開市場委員会(FOMC)を控える中、国債利回りが上昇した。

先週発表されたデータで、個人消費支出の伸びが第3・四半期末にかけて鈍化したことを受け、12月の利下げへの期待は強まったが、投資家はここ数年で最も意見が分かれると予想される今回の会合で、今後の政策動向に関する手がかりを待っている。

BMOプライベート・ウェルスのチーフ市場ストラテジスト、キャロル・シュライフ氏は「連邦準備理事会(FRB)の会合が終わるまで、市場が方向性を見出すのは難しいだろう。好調な決算シーズンを終えたばかりで、あと4週間は決算発表がない。市場の注目材料はFRBの動向だけだ」と語った。

CMEのフェドウオッチツールによると、市場が織り込む9─10日開催のFOMCでの25ベーシスポイント(bp)利下げ確率は約89%となっている。

この日は米国債利回りが上昇し、株式相場を圧迫した。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて警戒感が高まる中、米長期金利の上昇を背景に、下落した。

この日は米長期金利の指標である10年債利回りが上昇。利回りを生まない資産である金の相場の重しとなった。

米連邦準備理事会(FRB)は9、10両日にFOMCを開催し、金融政策を協議する。雇用鈍化が続いていることを背景に、市場では3会合連続で0.25%の利下げが 実施されるとの観測が広がっている。一方、一部の参加者がインフレを懸念し、金利据え 置きを主張するとみられる。会合後に発表されるFOMC声明やパウエルFRB議長の記者会見の内容から今後の金融政策の方向性に関する手掛かりを得たいとの思惑から様子見姿勢も強く、積極的な商いは手控えられた。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ウクライナとロシアの和平交渉の進展が注目される中、利益確定の売りが優勢となり、4営業日ぶりに反落した。

前週末までの上昇の反動から利益確定の売りが出た。需給の緩みを警戒した売りも原油を圧迫。米株式相場が下落し、投資家のリスク回避姿勢が強まり、株式と並んで同じリスク資産とされる原油に売りも出やすかった。

一方、市場はウクライナ和平交渉の行方を注視。ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、ロンドンでスターマー英首相と会談した。フランスのマクロン大統領とドイツのメル ツ首相も加わった。トランプ米大統領は7日、ウクライナとロシアの和平交渉に関し、ゼレンスキー大統領に「若干の失望」を表明していた。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY午後4時 155.93/155.94

始値 155.58

高値 155.98

安値 155.40

ユーロ/ドル NY午後4時 1.1637/1.1639

始値 1.1650

高値 1.1660

安値 1.1617

米東部時間

30年債(指標銘柄) 16時44分 97*03.00 4.8090%

前営業日終値 97*11.50 4.7920%

10年債(指標銘柄) 16時41分 98*20.00 4.1702%

前営業日終値 98*28.00 4.1390%

5年債(指標銘柄) 16時42分 98*27.75 3.7515%

前営業日終値 99*01.00 3.7150%

2年債(指標銘柄) 16時36分 99*19.63 3.5791%

前営業日終値 99*20.50 3.5640%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 47739.32 -215.67 -0.45

前営業日終値 47954.99

ナスダック総合 23545.90 -32.22 -0.14

前営業日終値 23578.13

S&P総合500種 6846.51 -23.89 -0.35

前営業日終値 6870.40

COMEX金 2月限 4217.7 ‐25.3

前営業日終値 4243.0

COMEX銀 3月限 5840.5 ‐64.8

前営業日終値 5905.3

北海ブレント 2月限 62.49 ‐1.26

前営業日終値 63.75

米WTI先物 1月限 58.88 ‐1.20

前営業日終値 60.08

CRB商品指数 301.4848 ‐4.4895

前営業日終値 305.9743

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米税務事務所アンダーセン、上場で時価総額17.5億

ビジネス

ドイツの企業経営破綻、25年は前年比8.3%増で1

ワールド

白人至上主義は南アの主権を脅かす=ラマポーザ大統領

ワールド

タイ、領内のカンボジア軍排除へ作戦開始 国境沿いで
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    米、ウクライナ支援から「撤退の可能性」──トランプ…
  • 10
    死刑は「やむを得ない」と言う人は、おそらく本当の…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中