ＮＹ連銀総裁、年内追加利下げを支持 労働市場に減速リスク＝米紙

ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁（写真）は、労働市場がさらに減速するリスクを踏まえ、年内の追加利下げを支持する姿勢を示した。昨年５月撮影（２０２５年　ロイター/Andrew Kelly）

［９日　ロイター］ - ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は、米紙ニューヨーク・タイムズ（ＮＹＴ）が９日掲載したインタビューで、労働市場がさらに減速するリスクを踏まえ、年内の追加利下げを支持する姿勢を示した。

ただ労働市場の減速はリセッション（景気後退）が差し迫っていることを示唆するわけではないと指摘した。

ウィリアムズ氏は「私の考えでは、今年の利下げはあり得るが、それが何を意味するのか正確に見極める必要がある」と述べた。

「インフレ率が２％を大きく上回っても、下げないというリスクは、経済とわれわれの信用に大きなダメージを与えるだろう。しかし、労働市場がさらに急激に冷え込むリスクを最小化するために、最善を尽くす必要がある」と語った。

また、トランプ大統領の関税措置が大方の予想ほどインフレに上向きの圧力をかけておらず、インフレの上昇幅は０．２５─０．５％程度にとどまっていると指摘。

基調的なインフレ率は目標の２％に向けて徐々に低下しているとした上で、「関税のインフレへの影響を増幅させるような二次的影響や要因の兆候は見られない」と述べた。

さらに、経済の変化がインフレ圧力を幾分緩和しているとの見方を示し、「労働市場と雇用に対する下振れリスクは高まっており、それがインフレの上振れリスクを軽減している」と述べた。

ウィリアムズ氏は、トランプ大統領が連邦準備理事会（ＦＲＢ）に利下げ圧力をかけ、クック理事の解任に動く中、ＦＲＢの独立性を深く気にかけているとした。