ニュース速報

ビジネス

米銀行預金の安全確保へ追加措置の用意、財務長官が再表明

2023年03月24日(金)08時59分

イエレン米財務長官は23日、サプライチェーンへの圧力や輸送コストは低下しているため、いずれインフレは鎮静化する可能性が高いと述べた。2022年4月撮影(2023年 ロイター/Leah Millis)

[ワシントン 23日 ロイター] - イエレン米財務長官は23日、米銀2行の破綻で銀行システムが混乱する中、銀行預金の安全を確保するため、さらなる措置を講じる用意があると再表明した。

イエレン長官は米下院歳出小委員会の公聴会で、「われわれは破綻の連鎖を防ぐために重要手段を用いて迅速に行動してきた」とし、「こうした措置は、金融機関の規模に関係なく、その破綻がシステム全体にリスクをもたらすと判断すれば再び講じることができる」と述べた。

米経済全般については、労働市場が「極めて逼迫」し、インフレの原因になっていると指摘。

ただ、サプライチェーンへの圧力や輸送コストは低下しているため、いずれインフレは沈静化する可能性が高いと述べた。

債務上限問題については、米国債がデフォルト(債務不履行)となれば基軸通貨ドルの地位が揺らぐとし、債務上限の引き上げに失敗すれば景気後退(リセッション)かそれよりも深刻な状況を招くと述べた。

ジョディ・アリントン下院予算委員長は同日、下院共和党が31兆4000億ドルの債務上限引き上げに賛成する見返りに民主党側に要求する項目をまとめた「タームシート(条件概要書)」の作成に取り組んでいると明らかにした。

イエレン氏は、ロシアと中国がドルに取って代わる通貨を採用しようとする動きがあるが、それは「非常に難しい」との見方も示した。

「ドルが世界の準備通貨であり続けることを無論望む。ロシアと中国にはドル使用を回避できる別のシステムを構築しようとする動機付けがある」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中東情勢深く懸念、エスカレーションにつながる行動強

ワールド

ウクライナ中部にロシアミサイル攻撃、8人死亡 重要

ワールド

パキスタンで日本人乗った車に自爆攻撃、全員無事 警

ビジネス

英小売売上高、3月は前月比横ばい インフレ鈍化でも
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中