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豪中銀が0.25%利上げ、10年ぶり高水準 追加引き締め示唆
オーストラリア準備銀行(中央銀行)は7日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを25ベーシスポイント(bp)引き上げ、3.35%とした。写真は準備銀行本部。2018年2月にシドニーで撮影(2023年 ロイター/Daniel Munoz)
[シドニー 7日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は7日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを25ベーシスポイント(bp)引き上げ、3.35%とした。10年ぶりの高水準となる。追加利上げが必要になるとの見通しを改めて示し、大方の予想よりもタカ派的なトーンを打ち出した。
政策の道筋は事前に決まっていないという従来のガイダンスを削除。インフレ率は2025年半ばまでに中銀が目標とする2─3%レンジの上限に当たる3%前後に低下するとの見通しを示した。
中銀の発表を受けて豪ドルは0.6940米ドルに上昇。市場が織り込む政策金利のピークは発表前の3.75%から●3.9%に上昇した。少なくとも3月と4月に利上げがあるとの見方を織り込んでいる。
中銀のロウ総裁は声明で「理事会はインフレ率を目標値に戻し高インフレを一時的なものにするために、今後数カ月でさらなる利上げが必要になると考えている」と説明した。
CBAの豪経済担当トップ、ガレス・エアード氏は「サプライズは決定自体ではなく、声明文のトーンとフォワードガイダンスの変化だった」と指摘。政策金利のピークの予想を3.35%から3.85%に引き上げたことを明らかにした。
同氏は「中銀理事会は、経済指標が修正後の予測通りなら今後数カ月追加利上げを実施する決意を事実上固めたと言える」と述べた。
市場では25bpの利上げが予想されていたが、最新のインフレ指標が強い内容だったことからより大幅な利上げもあり得るとの見方も出ていた。
先月発表された22年第4・四半期の消費者物価指数(CPI)はコアインフレ率が前年比6.9%に加速し、中銀が想定していた6.5%を上回った。
中銀はインフレ率が今年4.75%に低下し、2025年半ばまでに中銀が目標とする2─3%レンジの上限に当たる3%前後に低下するとの見通しを示した。
中銀は23年と24年の経済成長率については平均1.5%前後と予想した。
今回の利上げは昨年5月以降9回目。引き上げ幅は計325bpとなった。
金融サービス比較サイトのレートシティーによると、この日の引き上げ分も含めたこれまでの利上げにより、50万豪ドルの住宅ローンの毎月の返済額は900豪ドル以上増える。
1月の住宅価格は9カ月連続で下落し、シドニーとメルボルンの住宅価格は1年前から約10%値下がりしている。
生活費の上昇と利上げで消費の手控えが広がりつつある。12月の豪小売売上高は2年超ぶりの大幅下落を記録した。
次の大きな注目材料は今月発表の10─12月の賃金統計。労働市場は過去50年近くで最も力強く、大幅な賃金の伸びが見込まれている。
ロウ総裁は「高インフレで人々の生活が厳しくなり、経済の機能が損なわれる。高インフレが人々の予想に定着すれば、後で抑制するのに大きなコストがかかることになる」とし、引き締めを継続する意向を示唆した。