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アダニ中核企業の公募増資完了、不正疑惑でも投資家から資金確保

2023年02月01日(水)07時44分

 1月31日、インドの財閥アダニ・グループは、中核企業のアダニ・エンタープライゼズによる25億ドルの公募増資を無事完了させた。イスラエルのハイファ港で同日撮影(2023年 ロイター/Amir Cohen)

[ムンバイ 31日 ロイター] - インドの財閥アダニ・グループは31日、中核企業のアダニ・エンタープライゼズによる25億ドルの公募増資を無事完了させた。空売りで知られる投資会社ヒンデンブルグ・リサーチに不正疑惑を指摘されて以来、傘下企業の株価が軒並み急落していたが、今回は投資家から相応の資金を確保できた。

インドで過去最大規模とされたこの増資は、アダニにとって重要な意味があった。グループ全体の債務を圧縮するだけでなく、グループを率いるゴータム・アダニ氏に対する市場の「信任投票」という面があったためだ。

ヒンデンブルグは先週のリポートで、アダニがタックスヘイブン(租税回避地)を不正に利用し、高水準の債務も抱えていると主張。アダニ側はこれを否定したが、傘下企業の株価が大きく打撃を受け、アダニ氏自身の資産額もフォーブス誌のランキングで世界第3位から一気に8位に後退してしまった。

それでも今回の増資は、メイバンク・セキュリティーズやアブダビ投資庁、インドのHDFC生命保険、国営インド生命保険会社といったいわゆる「アンカー投資家」が全体の3割を引き受けた。

ただこうした外国機関投資家や大口の法人の資金流入が支えになった半面、個人投資家やアダニ・エンタープライゼズ従業員の購入は低調にとどまっている。

市場関係者からは、増資の目的のうち債務削減の資金確保は達成されたが、投資家の裾野を広げるという部分は成功していないとの声が聞かれた。

アナンタ・ナゲスワラン政府主席経済顧問は、アダニとヒンデンブルグの論戦について質問されると、インドの企業セクター全体は債務負担が軽減されてきており、バランスシートは健全で、特定企業グループで起きている事態は市場と当該グループ間の問題だと述べた。

ロイター
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