ニュース速報

ビジネス

中国企業のM&Aや資金調達、国境再開・規制緩和で拡大か

2023年01月26日(木)17時00分

1月26日、中国の国境再開や規制緩和を受けて、中国企業が絡む合併・買収(M&A)や資金調達が増えるとの見方が浮上している。写真は人民元紙幣。2022年6月撮影(2023年 ロイター/Florence Lo)

[シドニー/シンガポール 26日 ロイター] - 中国の国境再開や規制緩和を受けて、中国企業が絡む合併・買収(M&A)や資金調達が増えるとの見方が浮上している。

これまでは新型コロナウイルスの流行や規制強化が重しとなっていたが、中国政府は民間部門の信頼回復と景気押し上げに動いており、案件のアドバイザーを務める金融機関や法律事務所の活動が再開しつつある。

投資銀行助言業務を手がけるBDAパートナーズのパートナー、マーク・ウェブスター氏は「戦略的なセクター、重要産業技術、オートメーション、半導体関連が海外案件の中心になるだろう」と指摘。「東南アジアなど、国内外ではヘルスケアへの関心も高まっている。特にインドネシアへの注目度が高い」と述べた。

外交関係改善への期待からオーストラリアへの関心も高まっている。天斉リチウムはオーストラリアの鉱山会社エッセンシャル・メタルズの買収を提案した。

リフィニティブのデータによると、中国企業が絡むM&Aは昨年半減し、2006年以来の低水準となった。

法律事務所デービス・ポークの資本市場パートナー、Li He氏は「ここ2─3週間で企業から提案の要請が急増している。移動規制の撤廃だけでなく、経済再開が資本市場にとってプラスになるとの見方が出ている」と述べた。同氏は、今月8日の国境再開直後に北京に出張し、クライアントと面会したという。

国境再開に加え、規制も緩和される方向にある。中国では規制強化で過去1年半、企業の海外上場がストップ。ハイテク産業も多くの規制に圧迫されていた。

香港から中国本土への移動も約3年間、厳しく制限されていた。金融機関や法律事務所のアドバイザーは、以前は毎週のように本土に出張することが珍しくなかった。

中国の投資銀行CICCの中国越境M&A担当トップ、Bagrin Angelov氏は、国境再開によりプライベートエクイティ(PE)が絡む案件が年内に回復する可能性があると指摘。「経済再開により、PEが海外資産を中国人投資家に売却するケースが増えるだろう」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英、2030年までに国防費GDP比2.5%達成=首

ワールド

米、ウクライナに10億ドルの追加支援 緊急予算案成

ワールド

ロシア夏季攻勢、予想外の場所になる可能性も=ウクラ

ビジネス

米テスラ、テキサス州の工場で従業員2688人を一時
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親会社HYBEが監査、ミン・ヒジン代表の辞任を要求

  • 4

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 5

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ロシア、NATOとの大規模紛争に備えてフィンランド国…

  • 9

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中