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信越化、通期営業益予想を上方修正 前年比47%増の9950億円に

2023年01月26日(木)18時54分

[東京 26日 ロイター] - 信越化学工業は26日、2023年3月期の連結営業利益見通しを従来の9400億円から9950億円(前年比47.1%増)へ引き上げ、過去最高益を更新する見込みとなった。住宅建材向け塩化ビニール樹脂などの生活環境基盤材料、シリコンウエハー、フォトレジストなど半導体関連の電子材料の需要が引き続き堅調だったほか、塩ビ関連の価格転嫁が反映された。

通期営業利益見通しはIBESがまとめたアナリスト19人のコンセンサス予想の平均値9513億円を上回った。

前回450円としていた今期の年間配当予想も500円(前期実績は400円)に引き上げた。

4─12月期の営業利益は前年同期比68.3%増の8082億円と、同期として過去最高だった。全セグメントにおいて増収増益で、生活環境基盤材料は前年同期比2.1倍となった。10─12月期は前年同期比49.6%増の2719億円だった。

斉藤恭彦社長は会見で「住宅は依然として不足し、建設されなければいけない状況」と述べた。塩ビの在庫調整は収束しつつあり、需要はアジアと北米ともに底打ち、反転したとの見方を示した。

半導体関連の電子材料は「おおむねフル操業」(斉藤社長)で、同社の希土類(レアアース)磁石が使用されるハードディスク(HDD)製品の需要も、在庫調整が終わりつつあるとした。

シリコンウエハー需要は調整が広がっていると明らかにした。主力の300mmは22年秋のメモリー需要減速に続き、年明けではロジック向けにも広がっており「メモリーとロジックの調整が重なっている」(轟正彦専務執行役員)という。来期は市況次第ではあるものの、顧客は7月以降の需要回復を見込んでいる。同社も「1─3月期から徐々に上がっていき、稼働率も高水準を保てる」とした。

同社は同日、3月31日を基準日とし4月1日付で1対5の株式分割を実施すると発表した。26日の終値は1株=1万7585円。斉藤社長はこれまで東証から要請があり、時期や水準について定期的に検討を行ってきたことを明らかにし「株主層の拡大の必要性を強く感じ、今回踏み切った」と述べた。

(佐古田麻優、編集:宮崎亜巳)

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