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米企業、中国・台湾の地政学的リスクに留意すべき=イエレン氏
イエレン米財務長官は30日、サプライチェーン(供給網)を見直している企業は台湾に対する中国の脅威や米国の国家安全保障上の懸念を引き起こしている中国の慣行などを取り巻く地政学的リスクに留意する必要があると述べた。4月撮影(2022年 ロイター/Tom Brenner)
[ニューヨーク 30日 ロイター] - イエレン米財務長官は30日、サプライチェーン(供給網)を見直している企業は台湾に対する中国の脅威や米国の国家安全保障上の懸念を引き起こしている中国の慣行などを取り巻く地政学的リスクに留意する必要があると述べた。
米紙ニューヨーク・タイムズ主催のイベント「ディールブック」で、バイデン政権は中国政府の「一つの中国」政策を尊重しているが、中台間の平和的関係と台湾海峡の平和を維持することが「極めて重要」とした。
中国が台湾を武力で制圧するとの脅威を実行に移した場合、米企業に何が起こるかとの質問に対し、「そのような事態が起こるのを見たくないが、様々な地政学的リスクが顕著になりつつあり、米企業がそうしたリスクについて考慮するのは適切だ」と回答。米企業は台湾や中国の慣行を含むサプライチェーンのリスクについてより真剣に考え始めているとした。
一方で、米中間の強力なビジネス関係の継続は世界経済にとって重要と強調。「相互に有益な貿易と投資に関して、中国と米国の間に非常に強い結び付きがあり続けることを期待している」とし、こうした結び付きが損なわれることは「米国にとっても中国にとっても、また世界経済にとっても有益なことではない」とした。
中国製品に対する関税については「なお存在する不公平な貿易慣行を受けて課された。一時的には物価やインフレに幾分影響を与える」とした上で、関税が引き下げられればどのような影響が及ぶかという点について過大評価すべきではないとした。
また、中国の新型コロナウイルスを巡る持続的なロックダウン(都市封鎖)が生産を混乱させ、世界のサプライチェーンの混乱を解消し在庫を回復させる取り組みを妨げていると言及。中国が新型コロナを管理するための適切な戦略が何なのかは不明だが、中国の政策は世界に影響を及ぼしているとした。