ニュース速報

ビジネス

OECD、来年の世界成長予想引き下げ インフレ高進で

2022年09月26日(月)18時32分

 経済協力開発機構(OECD)は26日発表した経済予測で、来年の世界成長率予想を下方修正した。写真はドイツ・ハンブルクの港で2019年11月撮影(2022年 ロイター/Fabian Bimmer)

[パリ 26日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は26日発表した経済予測で、来年の世界成長率予想を下方修正した。エネルギー価格高騰、それに伴う急速なインフレ進行で景気後退リスクが高まったと指摘した。

今年の成長率予想は3.0%に据え置いたが、2023年は2.2%とし、6月予想の2.8%から引き下げた。

「世界経済は、ロシアによる正当化できない違法なウクライナ侵略戦争をきっかけに勢いを失った。多くの国で成長が止まり、経済指標は減速の長期化を示している」と述べた。

来年の世界の総生産は侵攻前の予想より2兆8000億ドル減少すると予想。減少幅はフランスの国内総生産(GDP)に相当する。

ロシアのウクライナ侵攻の影響が直撃する欧州の見通しが特に悪化。ユーロ圏の成長率は今年の3.1%から来年は0.3%に急減速すると予想。来年の予想は1.6%から大幅に下方修正した。特にロシア産エネルギーへの依存度が高い域内最大の経済国ドイツは来年の予想をプラス1.7%から0.7%のマイナスに引き下げた。

欧州に比べ、エネルギーの輸入依存度がはるかに低い米国も減速を見込む。特に米連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げを実施していることもあり、今年の予想も2.5%から1.5%に引き下げ、来年は1.2%から0.5%に下げた。

ゼロコロナ政策が経済の重しになっている中国は今年が3.2%、来年は4.7%と予想。従来予想の4.4%、4.9%から下方修正した。

主要国の見通しが軒並み悪化したにもかかわらず、OECDはインフレに歯止めを掛けるために一段の利上げが必要と指摘。23年の政策金利を、米国が4.5─4.75%、英国4.25%、ユーロ圏4%と予想した。日本は現行と変わらずと予想した。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:米支援で息吹き返すウクライナ、兵力不足は

ビジネス

NZ中銀、自己資本規制見直しの必要性否定 競争当局

ワールド

ガザ戦闘、人道状況に「著しい悪影響」 米国務省が人

ワールド

ロシアがウクライナに無人機攻撃、南部オデーサで7人
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 9

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中