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フィリピン中銀、0.5%追加利上げ インフレ抑制へ一段の措置示唆

2022年08月18日(木)18時17分

8月18日、 フィリピン中央銀行は政策金利の翌日物リバースレポ金利を3.25%から50ベーシスポイント(bp)引き上げ3.75%とした。マニラのフィリピン中銀で2016年3月撮影(2022年 ロイター/Romeo Ranoco)

[マニラ 18日 ロイター] - フィリピン中央銀行は18日、政策金利の翌日物リバースレポ金利を3.25%から50ベーシスポイント(bp)引き上げ3.75%とした。利上げは今年4回目。中銀は、インフレ率を目標レンジまで下げるために一段の利上げの可能性を示唆した。

ロイターが今週まとめたエコノミスト調査でも50bp利上げが予想されていた。

翌日物預金金利と翌日物貸出金利も50bp引き上げ、それぞれ3.25%、4.25%とした。

メダラ中銀総裁は会見で「インフレ期待を安定させ、中期的にさらなるインフレ目標逸脱を回避するために一段の政策行動が必要になると理事会は考えている」と表明。引き続き、インフレ率を中銀の目標に沿った軌道に中期的に乗せるため必要な措置を講じる所存だと述べた。

今年、政策金利は175bp引き上げられた。メダラ総裁は、今後の政策決定では米連邦準備理事会(FRB)の対応も考慮に入れることになると述べた。

FRBの引き締めを受け新興国では大規模な資本流出が発生。フィリピンもあおりを受け、通貨ペソは年初から対ドルで9%近く下落している。

通貨安は物価を押し上げる。7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.4%上昇で、2018年10月以来約4年ぶりの高い伸び。1─7月の平均上昇率は4.7%で中銀の今年の目標レンジ(2─4%)を上回っている。

<今年の物価予想引き上げ>

中銀は、22年の平均インフレ率予想を5.0%から5.4%に上方修正した。ただ23年と24年の予想は、それぞれ4.2%から4.0%、3.3%から3.2%に引き下げた。

物価高が個人消費を冷やし、第2・四半期は成長が減速したが、メダラ総裁は国内需要は雇用拡大や潤沢な流動性を支えに全般に堅調さを保っていると指摘した。

INGのシニアエコノミストは「インフレは10月がピークと予想するが、中銀は年内の全会合で利上げが必要だろう」と述べ、年末の政策金利を4.50%と予想した。

今年の政策決定会合はあと9月、11月、12月の3回予定されている。

今週の調査で、エコノミスト16人中7人が年末の政策金利を4.25%かそれ以上と予想、4.00%が6人、3.75%かそれ以下が3人だった。

ロイター
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