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中国7月PPI、17カ月ぶり低い伸び CPI上昇率は2年ぶり高水準
8月10日、中国国家統計局が発表した7月の生産者物価指数(PPI)は前年比4.2%上昇と、昨年2月以来の低い伸びとなった。建設部門の減速で原材料価格が下落した。大連の港で2018年9月撮影(2022年 ロイター/Muyu Xu)
[北京 10日 ロイター] - 中国の7月の生産者物価指数(PPI)は、建設部門の活動鈍化を背景とする原材料価格の下落で昨年2月以来の低い伸びとなった。一方、消費者物価指数(CPI)は食品が押し上げ2年ぶりの伸び率に加速した。
国家統計局の10日の発表によると、7月のPPIは前年比上昇率が4.2%で6月の6.1%から予想以上に減速し17カ月ぶりの低い伸びとなった。市場予想は4.8%上昇だった。
昨年10月に26年ぶりの高水準を記録していたPPIの伸び鈍化は、政策当局者に景気支援措置を講じる余地を与える。
キャピタル・エコノミクスは、コモディティー価格の一段の下落や供給制約の緩和を背景にPPIが年内を通じて減速すると予想。来年には一時的に下落に転じるとの見方を示した。
7月のPPIは前月比1.3%下落し、前月比として今年1月以来のマイナスを記録。金属や石油化学製品の下落が目立った。
前年比の上昇率は石炭採掘・選炭が20.7%と前月から10.7%ポイント鈍化。石油・ガス採掘も10.5%ポイント低下して43.9%となった。
PPIの鈍化は、国家統計局発表の7月の購買担当者景気指数(PMI)での投入価格低下で示唆されていた。
7月のCPIは前年比2.7%上昇。6月(2.5%上昇)から加速し2年ぶりの高い伸びとなった。市場予想(2.9%上昇)は下回った。
食品が前年比6.3%上昇し、6月(2.9%上昇)から大きく加速。豚肉価格が前年比20.2%上昇と6月(6.0%下落)から反転し、食品価格全体を押し上げた。
ただエネルギーと食品を除外したコアCPIは前年比0.8%上昇にとどまり、6月(1.0%上昇)を下回った。
CPIの加速は当局による景気支援の取り組みを複雑にしている。
ジョーンズラングラサール(JLL)のチーフエコノミストは、世界的なインフレ圧力や他の主要国の利上げを踏まえると、目先の全面的な金利引き下げの可能性は低いとの見方を示した。