ニュース速報

ビジネス

「SBI提案に勝る話なかった」と新生銀社長 公的資金返済に道筋とも

2021年11月25日(木)19時43分

新生銀行の工藤英之社長は25日のオンライン会見で、SBIホールディングスから受けた株式公開買い付け(TOB)に対抗する買収防衛策を取り下げたことに関連して、「SBIの提案に勝る話はなかった」と明らかにした。資料写真、2010年10月撮影(2021年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 25日 ロイター] - 新生銀行の工藤英之社長は25日のオンライン会見で、SBIホールディングスから受けた株式公開買い付け(TOB)に対抗する買収防衛策を取り下げたことに関連して、「SBIの提案に勝る話はなかった」と明らかにした。公的資金の返済については道筋が見えていると語った。

新生銀行は24日、SBIへの買収防衛策を撤回し、25日に予定していた臨時株主総会を中止することを決議したと発表。SBIによるTOBへの意見を反対から中立に変更した。

工藤社長は、新生銀が国に提示した経営方針をSBIが尊重すると表明したため、買収防衛策を取り下げたと改めて説明。その上で、「尊重という言葉には重い意味がある」と述べ、「言ったことに対する責任感は信頼している」とした。

臨時株主総会までの間も最適なパートナーを探す取り組みを継続すると公言していたが、工藤社長は、いろいろな話があった中で、SBIの提案に勝るものはなかったと語った。

25日に開催予定だった臨時株主総会を巡っては、2割の株式を保有する国が買収防衛策に賛同しない意向と伝えられ、否決される見通しが強まっていた。

ただ、工藤社長は、国の議決権行使の動向と買収防衛策の取り下げは関係がないと強調し、「株主数ベースでは、賛成する株主が圧倒的に多かった」とも述べた。

約3500億円の公的資金に関しては、「開示した経営戦略に基づいて利益を出していけば、その先に(返済)できるところは視野に入っている」と語った。SBIとのシナジーはそのプラスアルファの話だとし、「今後SBIとの関係の中で良いものを協議して追求していけばいい」との考えを示した。

新生銀は、SBIが提案する独立社外取締役選定委員会を設置し同候補者を選定するほか、SBIが取締役候補者としている川島克哉氏、五味廣文氏、畑尾勝巳氏の3人を取締役として選任するための臨時株主総会を2022年2月初旬をめどに開催する。新たな取締役が選任され次第、現取締役は退任する意向という。

工藤社長は自身の進退について、「合理的に考えれば、そこで引き継ぎができるのではないかと期待している」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

オランダ半導体や航空・海運業界、中国情報活動の標的

ワールド

イスラエルがイラン攻撃と関係筋、イスファハン上空に

ワールド

ガザで子どもの遺体抱く女性、世界報道写真大賞 ロイ

ワールド

北朝鮮パネルの代替措置、来月までに開始したい=米国
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 8

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中