ニュース速報

ビジネス

アリババ「独身の日」セール、取扱高は前年比8.5%増 過去最低の伸び

2021年11月12日(金)19時04分

中国の電子商取引大手アリババ・グループが実施した「独身の日」セールは、期間中の取扱高(GMV)が5403億元(845億4000万ドル)となり、元ベースの前年比伸び率が8.5%と2009年の開始以来最低だった。1日撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

[北京/上海 12日 ロイター] - 中国の電子商取引大手アリババ・グループが実施した「独身の日」セールは、期間中の取扱高(GMV)が5403億元(845億4000万ドル)となり、元ベースの前年比伸び率が8.5%と2009年の開始以来最低だった。規制強化と供給制約という逆風が響いた。

伸び率は昨年の26%から急減速した。独身の日セールは昨年まで毎年2桁台の伸びを記録し、米国のネット通販が11月末に大幅な割引セールをする「サイバーマンデー」をしのぐ世界最大のオンラインセールとなっていた。

アリババは昨年、11日単日のセール期間を1─11日に拡大していた。

今年は小売売上高が鈍化しているほか、一部製品や電力が供給不足に陥り、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)も局地的に行われているため、アナリストは、GMVが微増にとどまると予想していた。

当局の規制強化の動きを受け、アリババ自体も例年のような大々的な宣伝を控え、現在は持続可能な成長に軸足を置いていると強調していた。

アリババは4月に中国当局から独占禁止法違反で28億ドルの罰金を科され、同社の創業者である馬雲(ジャック・マー)氏は1年前に当局を批判して以来、公の場から姿を消している。

またJDドットコム(京東商城)や拼多多(ピンドゥオドゥオ)などのライバル企業に押されつつある。

JDドットコムも独自に11日間の独身の日セールを開催し、GMVが前年比28.6%増の3491億元となった。

米アップル、仏ロレアルなど400近いブランドが、これまでにそれぞれ1500万ドル以上の売り上げを確保したことを明らかにしている。

アリババによると、過去最多となる29万ブランドが参加し、9億人の消費者が集まった。78ブランドはGMVが前年比10倍以上となり1億元を超えた。参加した高級ブランドの数は過去最多で、マックス・マーラやサン・ローランなどが初めて加わった。

シティのアナリストは、GMVは予想に届かなかったが伸び率は満足できるものだったと指摘。昨年は複数の逆風にさらされた異例の年だったが、今年の独身の日のセールは控えめな増加という「新常態」に落ち着いたとした。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は反落、一時700円超安 前日の上げ

ワールド

トルコのロシア産ウラル原油輸入、3月は過去最高=L

ワールド

中国石炭価格は底入れ、今年は昨年高値更新へ=業界団

ワールド

カナダLNGエナジー、ベネズエラで炭化水素開発契約
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中