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英中銀、利上げに慎重になるべき=テンレイロ委員
11月5日、イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会のテンレイロ委員は、英経済が依然としてパンデミック(世界的大流行)前の水準を下回っており、労働市場の健全性把握も難しいため、英中銀は利上げに慎重になるべきと述べた。写真は6月11日、ロンドンの英中銀前で撮影(2021年 ロイター/Henry Nicholls)
[ロンドン 5日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会のテンレイロ委員は5日、英経済が依然としてパンデミック(世界的大流行)前の水準を下回っており、労働市場の健全性把握も難しいため、英中銀は利上げに慎重になるべきと述べた。
英中銀は4日の金融政策委員会で、7対2で政策金利を過去最低の0.1%に据え置くことを決定。引き締め政策に慎重な姿勢を示しているテンレイロ氏は金利据え置きに賛成した。
テンレイロ氏は国際通貨基金(IMF)主催の会議で、各国中銀は成長支援と持続的なインフレ圧力への対応とのトレードオフに直面していると指摘。ただ、特に英国では国内総生産(GDP)がパンデミック前の水準を大きく下回っているため、インフレ高進への早急な対応を控えるべきとした。
「英中銀に限らず、各国中銀はインフレ目標と実体経済の目標とのバランスをとる必要があり、そのためには慎重なアプローチが必要だ」と語った。
また、政府の一時帰休者支援措置終了の影響を見極めたいとした。
インフレ期待の高まりについては、エネルギー価格が急騰したものの持続的なインフレにはつながらなかった2008年および11年と同様だと指摘。一方、賃金圧力には「非常に注意を払う」必要があるとし、賃金が上昇すれば金融政策での対応が求められるとの認識を示した。