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米、新興EVニコラの創業者を起訴 投資家に「虚偽の説明」
7月29日、米司法当局は、新興電気自動車(EV)メーカー、米ニコラの創業者トレバー・ミルトン前CEO(写真)を詐欺罪で起訴した。写真はイタリア・トリノで2019年12月撮影(2021年 ロイター/Massimo Pinca)
[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米司法当局は29日、新興電気自動車(EV)メーカー、米ニコラの創業者トレバー・ミルトン前最高経営責任者(CEO)を詐欺罪で起訴した。同社の事業について投資家を欺いたとしている。
訴因は証券詐欺2件と、ニコラの製品と技術に関して2019年11月から20年9月にかけて行った発言を巡る通信詐欺1件。ミルトン被告はマンハッタンの連邦裁判所に出廷し、無罪を主張した。
当局は、被告がソーシャルメディアへの投稿やテレビインタビューなどを通じてニコラの株価をつり上げ、個人的に多額の利益を得たほか、起業家としての自身の名声を高めたとしている。
マンハッタンの連邦検事は記者会見で「ミルトン被告は事業のほぼ全ての側面に関して虚偽の説明をした」と述べた。
有罪になれば、1件の訴因につき最長20年もしくは25年の禁錮刑が科される。
米証券取引委員会(SEC)も同日、ミルトン被告を民事提訴したと明らかにした。
被告の弁護人は「詐欺はなかった。裁判で争う用意がある」と述べた。
ニコラ自体は起訴されていないが、29日の米国株式市場で同社株は15%下落した。
ミルトン被告は2014年にニコラを創業し、同社が特別買収目的会社(SPAC)を介して上場した20年6月までCEOを務めた。
その後、空売り投資家のヒンデンブルグ・リサーチが同社に詐欺などの疑いがあると指摘したことを受け、20年9月に会長を辞任した。